『観光インターンシップ』で夢だったツアープランナーの業務を経験

観光学部交流文化学科3年次 室岡 万里奈さん

2023/01/12

立教生のキャンパスライフ

OVERVIEW

2022年8月、観光学部『観光インターンシップ』授業の一環で、実習生として3週間、一般社団法人山中湖観光協会でのインターンシップに参加しました。実習先の方々のご理解とサポートを得て、2つのツアーを企画立案、販売、催行し、さらにツアーの同行まで実現し、長年の夢であったツアープランナーの業務を体験することができました。このような、観光学部だからこその私の体験をご紹介したいと思います。

『観光インターンシップ』授業を履修しようと思ったのは、観光学部といえば座学を活かしてフィールドワークを行うことが醍醐味だと思っていたからです。しかし、コロナ禍の中、授業は2年間を通してオンラインでした。自分自身が本当に大学生であるのかどうかもわからなくなってしまうような生活でしたが、ようやく対面授業が再開された3年生では、観光協会での実習ができるこの授業を履修したいと思いました。また、山中湖観光協会のある山中湖村は、日本のシンボルである富士山の眺めを観光資源の中核としている地域であり、それをどのように観光業に活かしているのだろうという興味がありました。

実習前に協会から提示された課題は、「何か新たな戦略となりうる成果品の提案」というものでした。山中湖の観光業の課題を調べたところ、そのひとつに、山中湖村を訪れる人々の多くは、宿泊せずに帰ってしまうことであることがわかりました。物心がついた頃から、「将来の夢はツアープランナーになること」と思っていた私は、実習テーマを「山中湖村での宿泊を伴う早朝と夜の体験プランを盛り込んだツアーを提案すること」に決めました。

そこから、山中湖の観光に関するパンフレットやウェブサイトを何度も読み込みツアー内容を考えはじめました。協会にアイデアを出しても進まない日々でしたが、実習3日目、協会の方の「これは山中湖でなくてもできますよね。」という言葉をきっかけに、私は文字と睨めっこするのをやめ、「山中湖村でしかできない体験」に着目することにしました。協会の方との会話を通して、また山中湖をサイクリングで周遊したり、SUPをしたりするなど、自分の五感で山中湖を知ることからはじめました。

そのような中から生まれた一つ目の企画は、山中湖村発着の『輝く星空に手を伸ばせ!富士山五合目で星空&ネイチャーツアー』です。山中湖村ネイチャーガイドの方にご協力いただき、街の光に邪魔されず真っ暗な中で星が観察でき、また、バスでのアクセスが可能な富士山五合目でのツアーを企画しました。日程は、オリオン座流星群のピークと新月が重なる10月22日、五合目の山小屋の『奥庭荘』に宿泊することを考えました。すぐに『奥庭荘』に電話をし、翌日から視察を兼ねて宿泊をしました。ここまでツアーの作成は順調かと思われましたが、思いもしなかった事実が判明したのです。それは、10月後半は雪が降り始めるためスバルラインが封鎖されてしまう可能性が高いということでした。実際に、昨年は雪の影響で10月22日に封鎖されていました。そして、もし実施できたとしても寒すぎて星空観察どころではない、というアドバイスも受け、新月と流星群が重なるという最高の日程は現実的でないことがわかり、視察を終えました。その後、流星群は諦め、当初の予定を1ヶ月前倒した新月に合わせて日程を確定させました。

二つ目の企画として、山中湖村内で完結するツアーを作成しました。最初の企画が夜の体験プランなので、もう一つは早朝の村の魅力を発信しようと考え、『朝富士からパワーを!明神山山頂で早朝ヨガ 心も体もリフレッシュツアー』に決めました。村でヨガ体験を提供しているインストラクターを迎えて、初心者でもできるヨガのレッスンをし、その後も、富士山を臨みながら朝食を頂くプランです。

どちらのツアーも、最も苦戦したのはツアー料金と最小催行人数を決めることでした。催行人数と料金のせめぎ合いには何日も悩まされましたが、最終的には高付加価値のツアーにし、経験にお金を使うことができる人をターゲットにするのが良いのではないかという結論に達しました。そして、明神山や富士山五合目というプレミアムなロケーションを少人数で楽しめるということを効果的にプロモーションすることに注力しました。

直前まで試行錯誤を繰り返しましたが、多くの方にご協力を頂いたお蔭で、9月には星空ツアーを、10月には早朝ヨガツアーを販売、無事に催行することができ、自分自身もツアーに同行することで、参加者の反応を直に感じることができました。唯一無二の経験を得ただけでなく、一時的ではあっても、ツアープランナーになるという夢を叶えることができました。この実習を経て、一つのツアーの完成にはこれほどの労力と多くの人々が関わっていることを実感し、横のつながりの重要性を学びました。思い描いていたものより何百倍も大変でしたが、観光業に携わるということ、観光を通して地域の魅力を創生し、人々に楽しみを提供することがどれ程やりがいのあることなのか、身をもって感じました。

CATEGORY

このカテゴリの他の記事を見る

立教生のキャンパスライフ

2024/11/27

「大学生と埼玉県議会議員との意見交換会」開催レポート

コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科

お使いのブラウザ「Internet Explorer」は閲覧推奨環境ではありません。
ウェブサイトが正しく表示されない、動作しない等の現象が起こる場合がありますのであらかじめご了承ください。
ChromeまたはEdgeブラウザのご利用をおすすめいたします。