化学専攻理学研究科/池袋キャンパス

OBJECTIVE.

物質の性質や変化を体験し化学の醍醐味を知る

物質の性質や変化を体験し、「新しい物質を作り出す楽しみ」「原因を解明する喜び」を味わうことに化学を学ぶ醍醐味があります。
大学院生は各教員の研究室に配属され、最先端の研究を学び、未知の課題に取り組みます。
また、理化学研究所、産業技術総合研究所の連携大学院の研究室で研究を行うことも可能です。

専攻のポイント

  • 学生と教員が一体となり取り組む研究

    各教員のもとで、学生は教員と一体となって未知の問題に対する研究を行います。また博士課程前期課程1学年の学生数約20名に対してきめ細かな少人数教育を行っています。

  • 研究助成金の積極的な活用

    研究成果の発表には、学会発表奨励金および各種研究発表支援制度(立教大学SFR等)が用意され、積極的に活用されています。

  • 外部講師による授業を多数用意

    本学の教員による講義だけでなく、他大学、企業および研究所の講師による時代の要請に応じたトピックスの授業も多数用意しています。

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設計に基づく分子自在制御の化学をめざして

立教大学理学研究科化学専攻では、実験的な精密分子合成と計算化学が密接に連携して機能分子開発を行い、分子技術の分野におけるユニークな研究拠点の形成をめざしています。従来、機能分子の開発は、まず天然物の持つ機能に着目し、それを模倣する形で進められるのが通例でした。しかし、天然には存在しない、真に革新的な機能を持つ分子を作り出そうとすると、そのような方法では限界があります。化学専攻では、本学に設置されている「未来分子研究センター」を拠点として、独自の研究手法~まず目的とする機能の理論的解析に基づいて機能性分子を合理設計し、それに基づいて分子を実験的に合成した後に、その機能解析の結果を理論にフィードバックする~を展開しており、外部刺激に応答して形や発光機能を変える分子、人工光合成触媒、薬理作用を持つ分子の開発など、産業界からも大きな期待が寄せられる成果を生み出してきています。

化学専攻専任教員/研究テーマ

  • 松下 信之 教授

    主要研究テーマ:錯体化学・固体物性化学

    教員紹介

    錯体化学・固体物性化学。色や光物性、その他固体物性が、光、温度、圧力、溶媒、ガス、pHなど外部刺激に応答して変化する遷移金属錯体(フォトクロミック金属錯体やベイポクロミック金属錯体など)に関して、金属錯体の合成から、構造解析、物性測定・解析、物性と構造の相関の考察、仕組みの解明まで一貫した研究を行っている。

  • 望月 祐志 教授

    主要研究テーマ:計算分子科学

    教員紹介

    量子化学を主軸とする計算分子科学。特に、大規模分子の扱いが可能なフラグメント分子軌道法を援用する電子状態計算の応用とプログラムの開発(ABINIT-MP)。最近では、粗視化シミュレーション、機械学習も活動領域に含めて活動展開している。

  • 箕浦 真生 教授

    主要研究テーマ:有機元素化学、物理有機化学

    教員紹介

    有機元素化学・物理有機化学。周期表上の様々な元素の特性を引き出すことを目的とし、新規有機元素化合物の合成と構造・反応・物性に関する実験的および理論的研究に取り組む。これまでに未知である化学結合の性質解明による学術的再生産や元素の性質を活かした機能性分子創製、新反応の開発をめざしている。

  • 三井 正明 教授

    主要研究テーマ:光物理化学・ナノ物質科学

    教員紹介

    光物理化学、ナノ物質科学。光エネルギー変換に焦点を当て、π電子系有機分子や金属クラスター、およびそれらの複合系の光物性や励起状態過程に関する研究を行っている。また、これらを構成要素として利用したフォトンアップコンバージョン材料を開発し、太陽光の利用効率を向上させることに挑戦している。 

  • 宮部 寛志 特別専任教授

    主要研究テーマ:分析化学、分離化学

    教員紹介

    分析化学、分離化学。高速液体クロマトグラフィー及びキャピラリー電気泳動法の新たな解析体系(モーメント理論、実験法や解析手順)を構築し、分離系の特性や機構を解明する。流通式実験法を化学反応(分子間相互作用)や物質移動(分子集合体界面における物質透過)現象の速度解析法へと展開すると共に、特徴的な構造特性を有する分離剤や新規分離システムの開発による分離系の高性能化や高機能化についても研究を行っている。

  • 山中 正浩 教授

    主要研究テーマ:有機合成化学、計算化学

    教員紹介

    有機合成化学および計算化学。高精度量子化学計算と実験の緊密な連携により、分子レベルの理解に基づいて、現代の精密有機合成に適した分子触媒開発、およびその理論的解析に関する研究を行っている。

  • 森本 正和 教授

    主要研究テーマ:有機光化学

    教員紹介

    有機光化学。光の照射により異性化反応を起こして色を変化させるフォトクロミック分子などの光応答分子に関する研究を行っている。光応答分子およびその集積体を合成し、それらの構造や光応答挙動を観測・解析することにより、光機能の発現のための物質設計の指針を確立するとともに、新しい光応答分子デバイスを創出することをめざしている。

  • 和田 亨 教授

    主要研究テーマ:錯体化学・触媒化学

    教員紹介

    錯体化学。エネルギー・環境問題の観点から大きな注目を集めている燃料電池や人工光合成などのエネルギー変換システムを構築する上で、欠かす事の出来ない電気化学的な酸化還元反応を触媒する遷移金属錯体の開発を行っている。精密にデザインされた錯体を合成し、平衡電位近傍での水の酸化反応や酸素還元反応をめざしている。

  • 永野 修作 教授

    主要研究テーマ:高分子化学、分子組織化学

    教員紹介

    高分子化学、分子組織化学。高分子、液晶などのソフトマテリアルの協同性や増幅作用を利用し、分子配向制御や分子組織化に基づく新規分子材料システムを構築、様々な機能増幅や新規機能発現を目指す。分子設計・合成から、分子組織化、構造解析、物性・機能評価までの材料開発プロセスをすべて行う。

  • 佐々木 直樹 教授

    主要研究テーマ:分析化学、生体物質化学

    教員紹介

    分析化学、生体物質化学。細胞や組織など、生体を構成する各階層における動作原理を分子レベルで明らかにし、人類社会にとって有用な分析手法・試薬・装置の開発へとつなげることを目標としている。具体的なテーマとしては、(1)マイクロ液滴に基づく細胞内生化学プロセスの再構築、(2)マイクロ流体デバイスに基づく疑似組織構築と薬剤評価モデルへの応用など。

  • 小林 潤司 教授

    主要研究テーマ:有機環境分析

    教員紹介

    環境分析。自然環境において環境汚染物質として近年懸念されている有機物質、特に有機フッ素化合物の分析を行い、環境中の汚染状況について明らかにすることを目的としている。また、植物中に取り込まれる汚染物質の分析についても目指している。なお、2024年度は大学院生の研究指導は行わない。

  • 藤原 宏平 准教授

    主要研究テーマ:薄膜物性化学、機能物質化学

    教員紹介

    薄膜物性化学、機能物質化学。真空成膜技術を駆使して、機能物性の発現が期待される無機固体物質を薄膜化する。バルク不安定な相の安定化による新物質創製や積層構造における界面物性制御などを通して、無機固体の物性を人工的に拡張・増強するための学理を構築するとともに、見出した物質や機能を各種材料やデバイス原理へと応用することにも取り組んでいる。

  • 田渕 眞理 准教授

    主要研究テーマ:ナノバイオ分析

    教員紹介

    ナノバイオ分析。時代の最先端技術:ナノテクノロジーとバイオテクノロジーを取り入れた分析技術開発を展開。最近、ダイエタリー食物繊維のナタデココのナノファイバーに着目し、光増幅器、癌変異の早期検出技術、白血病早期診断技術を開発し、新聞・雑誌・テレビ等多数のメディアに環境に優しい次世代のバイオナノ材料として注目されている。ナタデココやナノ化粧品など身近な材料をもとにナノスケールの構造物性解析に取り組んでいる。

  • 田邉 一郎 准教授

    主要研究テーマ:界面分光化学

    教員紹介

    界面分光化学。検出深さ数十~数千ナノメートルでナノメートルオーダーの分解能をもつ独自の減衰全反射型紫外可視分光法を開発し、物質界面が重要な役割を果たす有機薄膜トランジスタや有機薄膜太陽電池の、機能発現中の界面電子状態を研究する。量子化学計算や分子動力学計算を利用することで、界面での分子論的描像まで明らかにすることを目指す。

  • 菅又 功 特任准教授

    主要研究テーマ:有機無機材料化学・有機元素化学

    教員紹介

    有機無機材料化学・有機元素化学。環境調和型分子の開発を通じ、カーボンニュートラルな社会構築に貢献することを目標としている。非常に小さい細孔であるマイクロ孔を有する多孔性材料を活用した高効率なガス貯蔵分子の合成およびその応用を検討している。また、分子骨格への元素導入により特異な性質を有する新規有機分子の合成及びそれらの物性解析に関する研究にも取り組んでいる。

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