公開合評会「山本剛史『被災当事者の思想と環境倫理学福島原発苛酷事故の経験から』」
INFORMATION
2011年3月11日の東日本大震災およびそれに続く東京電力福島第一原子力発電所の事故は、現在もなお大きな問題として残り続けている。著者の山本剛史氏の著作は『被災当事者の思想と環境倫理学福島原発苛酷事故の経験から』(言叢社、2024年)、環境倫理学研究の立場から、福島県の「被災当事者」との実際の対話を通じ、さらにこれまでの環境倫理学研究の立場への批判も辞さずに、福島原発苛酷事故を考えるための新たな思想を提示している。事故から10年以上たって公刊された本書は、現在改めてこの事故に向き合うための貴重な研究成果と言える。この度、本書の意義を多角的に評価するため、著者の山本剛史氏(本学兼任講師)に加え、本学社会学部教授で社会学の立場から福島原発事故についての研究を進めてきた関礼子からコメントをいただく。また、若い世代が震災をどのように考えるかという観点から、東京大学教育学研究科修士課程にて東日本大震災以降の語りに注目した研究をする村山和彦氏、また本学文学部文芸・思想専修3年在学中で山本剛史氏の環境倫理学の演習授業に出席していた松島和志さんからもコメントをいただく。
なお、本合評会は、本学文学部講義科目「哲学講義6」(担当:渡名喜庸哲)の授業の一部をなしており、これを公開のかたちで行う。
講師
本学兼任講師
山本 剛史 氏
本学文学部ほか兼任講師。専門は環境倫理学。ドイツの哲学者ハンス・ヨナスの倫理思想研究のほか、福島原発事故以降の環境倫理学の再構築、世代間倫理のあり方、また田中正造以来の日本における環境思想史について研究を行う。主著に『被災当事者の思想と環境倫理学福島原発苛酷事故の経験から』(言叢社、2024年)、共著に吉永明弘・寺本剛編『環境倫理学』(昭和堂、2020年)、吉永明弘・福永真弓編『未来の環境倫理学』(勁草書房、2018年)、海老原晴香・長町裕司・森裕子編『生命の倫理と宗教的霊性』(ぷねうま舎、2018年)ほか。
本学社会学部現代文化学科教授
関 礼子
専門は環境社会学、地域環境論。公害病問題や開発がもたらす地域社会へのインパクト、人と自然とのかかわりなどについて、フィールド調査をもとに研究を行う。現在のテーマは、公害問題など個的かつ社会的出来事の経験・記憶の現在性と継承性、自然とのかかわりが育む文化と地域本位の観光形成、環境と災害(福島原発事故)研究など。主著に原口弥生との共著『福島原発事故は人びとに何をもたらしたのか:不可視化される被害、再生産される加害構造』(新泉社、2023年)、『福島からの手紙:十二年後の原発災害』(新泉社、2023年)、編著『被災と避難の社会学』(東信堂、2018年)ほか。
東京大学大学院教育学研究科基礎教育学コース修士1年次
村山 和彦 氏
本学文学部文学科文芸・思想専修3年次
松島 和志 さん
詳細情報
名称
内容
17:10 趣旨説明
17:15 著者による自著紹介:山本剛史氏
17:30 コメント1:関礼子
17:50 コメント2:村山和彦氏
18:00 コメント3:松島和志さん
18:10 著者からのリプライ:山本剛史氏
18:25 全体討論
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料