【変更】公開講演会「講集団から見る日本文化の変化と再生産」

INFORMATION

  • 2024年6月15日(土)13:00~17:30
  • 池袋キャンパス 7号館1階 7102教室

6/4追記
【変更】
本イベント運用の都合上、事前申し込み必要へ変更しました。
申し込み無しでも当日参加可能です。




震災やコロナといった外的要因による地域社会の変貌は、文化をどのように捉えるか、民俗学に再考を促すものとなった。伝承を聞き書きするだけではなく、地域社会にとってなにが有用であり、「ふさわしいもの」であるのか、次世代につなげる民俗文化のかたちを地域社会の人々とともに考え、実践していく姿勢が求められている。この問題意識について、「講」を事例対象としてアプローチを試みたい。講は宗教的、経済的、社会的目的を達するために結ばれる集団であり、多様なかたちをとって日本各地で展開されてきた。しかし民俗学の講の研究は、村落社会の変容により「伝統的な」講が衰退するとともに、消滅する文化の語りで研究対象とされ、やがて顧みられなくなった。とはいえ、講は衰退、消滅といった文脈だけでは捉えられない側面もある。つまり、講はイエを介して結成するものというよりは、個人がそれぞれの属性(年齢、性別など)に応じて結びつくものであるため、結成され、状況に応じて再編が求められ、存続されてゆく性質もある。目的と状況に柔軟に応じて変化し、再生産されるフレキシブルな組織であると言える。○○講といった名称を冠していないものの、現代社会において講的な集団と捉えることができるものも少なくない。こうした講的集団を対象として現代における民俗文化の変容と再生産を見ていくことは、上記の問題に対し有用な視点を提示できるであろう。

講師

埼玉県立大学保健医療福祉学部准教授
浅川 泰宏(あさかわ やすひろ) 氏

慶應義塾大学大学院で博士号(社会学)を取得。関連する主要業績に『巡礼の歴史と現在—四国遍路と世界の巡礼』(共著、岩田書院、2013年)、『巡礼の文化人類学的研究—四国遍路の接待文化』(古今書院、2008年)。

大田区立郷土博物館主任学芸員
乾 賢太郎(いぬい けんたろう) 氏

武蔵大学大学院修士課程修了。関連する主要業績に「嶺の御嶽山とその信仰者たち」、大田区立郷土博物館編『嶺の御嶽山と一山行者』2019年10月。「明治期における御嶽講社—豊穂講社(教会)を事例として」武蔵御嶽神社及び御師家古文書学術調査団編『武州御嶽山の史的研究』、岩田書院、2018年。「職縁が結ぶ参拝講」長谷部八朗編『「講」研究の可能性』(慶友社、2015年)。

静岡県富士山世界遺産センター准教授
井上 卓哉(いのうえ たくや) 氏

京都大学大学院修士課程修了。修士(人間・環境学)。関連する主要業績に「守札の受容圏の変遷と山村の信仰活動」『日本民俗学』314号、2023年、1-35頁。「富士地域における講行事の諸相」『富士市立博物館館報』平成23年度、2012年、97-118頁。

慶應義塾大学法学部准教授
笠井 賢紀(かさい よしのり) 氏

慶應義塾大学大学院で博士(政策・メディア)を取得。関連する主要業績に「基盤型アソシエーションとしての講—滋賀県栗東市目川の伊勢講勘定帳を読み解く」『生活学論叢』41号、2022年、15-29頁。「民俗の機能変化をめぐる考察—滋賀県栗東市目川地区S町の伊勢講勘定帳を中心に」『三田社会学』24号、83-96頁

玉川大学リベラルアーツ学部講師
髙木 大祐(たかぎ だいすけ) 氏

成城大学大学院で博士号(文学)を取得。関連する主要業績に「答志の漁業と信答講」長谷部八朗編『「講」研究の可能性』Ⅲ(慶友社、2016年)。『動植物供養と現世利益の信仰論』(慶友社、2014年)。

詳細情報

名称

【変更】公開講演会「講集団から見る日本文化の変化と再生産」

内容

・浅川泰宏氏「コロナ禍の巡礼:2020~2023年の調査から」
・乾賢太郎氏「京浜地区における海苔養殖と木曽御嶽講~生業と信仰に関連して~」
・井上卓哉氏「新潟県妻有地域の守札(俵札)からみる信仰活動の変遷」
・笠井賢紀氏「栗東市の街道筋集落にみる左義長と伊勢講」

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 必要
  • 参加費 無料

以下のWebサイトよりお申込みください。

主催

文学部史学科

共催

立教大学史学会

お問い合わせ

学部事務1課史学科担当

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