公開講演会「聖書のペリシテ人の終焉と消失」(The End and Disappearance of the Biblical Philistines)
INFORMATION
ペリシテ人とその文化は、聖書のテキストや考古学的記録からよく知られており、鉄器時代の南レヴァントで最もよく知られた文化のひとつである。鉄器時代初期(前1200年頃)に出現したペリシテ人は、鉄器時代を通じて複雑な発展と変化を遂げ、イスラエル人、ユダ人、フェニキア人、エジプト人、アッシリア人など近隣の文化とのつながりを示す証拠も数多く残されている。鉄器時代後期、ペリシテ地方はアッシリアに征服されるが、ペリシテ人の文化は繁栄を続ける。紀元前7世紀後半、バビロニアがペリシテを征服すると、事態は急速に変化する。ペリシテ人がバビロニアの支配に反旗を翻すと、バビロンの王ネブカドネザルは前604/3にペリシテに遠征し、ペリシテ人の都市をすべて破壊して、残ったペリシテ人をバビロニアに追放した。これによってペリシテ文化は終わりを告げたのである。その後2世紀ほど、バビロニアの文書にペリシテ出身の人々が登場するものの、明確な文化集団としてのペリシテ人は存在しなくなる。この講義では、ペリシテ人の終焉の過程について述べると同時に、同時代にユダ文化がたどった全く異なる軌跡と比較する。
講師
バル・イラン大学ユダヤ学部教授
Aren M. Maeir 氏
ヘブライ大学卒業(1986年)、同大学大学院博士後期課程修了(1997年、Ph.D)。マサチューセッツ工科大学PD(2002-2003年)を経て、バル・イラン大学ユダヤ学部教授。専門は南レヴァント考古学。主編著にTell es-Safi/Gath I: Report on the 1996-2005 Seasons、Harrassowitz、2012年、Tell es-Safi/Gath II: Excavations and Studies、Harrassowitz、2020年、他、論文に“Philistine and Israelite Identities: Some Comparative Thoughts”、Die Welt des Orients 49、2019、他多数。
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- 参加費 無料