公開講演会「戦争に向かう世界:1930年代と朝河貫一」
INFORMATION
本シンポジウムは、朝河貫一生誕150周年記念シンポジウムとして、日米開戦へと向かう1930年代アメリカにおける歴史学者朝河貫一(1873-1948)を中心にして、戦争に向かう時代の潮流に個人がどのように立ち向かうことができるのかを考える場としたい。朝河は国際関係や互いの国民性の理解を深めるために「歴史」を重視していたが、まさに現在、国際情勢が大きく変容し、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとガザ地区の戦闘と、戦争という危機が現実のものとなる中、戦争を回避して平和を目指した過去の人びとの経験に私たちは学ぶ必要がある。朝河の人生が現在の私たちに何を伝えてくれるのか、そしてどのように未来に伝えていくのか、このシンポジウムで考えていきたい。
講師
オンライン参加
イェール大学歴史学科教授
ダニエル・ボツマン(Daniel Botsman) 氏
PhD(歴史学)(プリンストン大学)。日本近世史・近代史。主な著作にPunishment and Power in the Making of Modern Japan(Princeton University Press, 2005)(邦訳『血塗られた慈悲、笞打つ帝国。—江戸から明治へ、刑罰はいかに権力を変えたのか?』インターシフト、2009年)、『「明治一五〇年」で考える:近代移行期の社会と空間』(共編)(山川出版社、2018年)など。
神戸大学名誉教授
五百籏頭 眞(いおきべ まこと) 氏
法学博士(京都大学)。主な著作に『米国の日本占領政策』、『日米戦争と戦後日本』など。
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授
三牧 聖子(みまき せいこ) 氏
博士(学術)(東京大学)。国際関係論・国際関係思想・アメリカ外交史・日米関係史。主な著作に『戦争違法化運動の時代—「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)、『Z世代のアメリカ』(NHK出版、2023年)など。
敬愛大学国際学部教授
増井 由紀美(ますい ゆきみ) 氏
修士(学術)(ニューヨーク大学)。アメリカ研究。主な著作に『甦る朝河貫一』(朝河貫一研究会、1998年)(共著)、『朝河貫一資料:早稲田大学・福島県立図書館・イェール大学他所蔵』(早稲田大学アジア太平洋研究センター、2015年)(共著)など。
千葉大学国際未来教育基幹特任助教
陶 波(Bo Tao) 氏
Ph.D.(イェール大学)。日本近代史。主な著作に"Imperial Pacifism : Kagawa Toyohiko and Christianity in the Asia Pacific War"War"(イェール大学博士論文)、『朝河貫一と人文学の形成』(吉川弘文館、2019年)(共著)など。
朝河貫一研究会理事
山内 晴子(やまうち はるこ) 氏
博士(学術)(早稲田大学)。日本近代史。主な著作に『朝河貫一論:その学問形成と実践』(早稲田大学出版部、2010年)、『朝河貫一資料』(早稲田大学アジア太平洋研究センター、2015年)(共著)など。
司会、講師
本学日本学研究所所長、文学部史学科日本史学専修教授
佐藤 雄基(さとう ゆうき)
博士(文学)(東京大学)。日本中世史・近代史学史。主な著作に『日本中世初期の文書と訴訟』(山川出版社、2012年)、『御成敗式目』(中央公論新社、2023年)など。
詳細情報
名称
内容
13:00 開会 司会:佐藤雄基
13:05~1310 開会挨拶:福田康夫氏
1310~14:00 基調講演「朝河貫一と日系アメリカ人—C.ヤナガとの関係を中心に」:ダニエル・ボツマン氏
休憩
14:10~14:35 報告1「1930年代のキリスト教ネットワークと日米関係」:陶波氏
14:35~15:00 報告2「1930年代のアメリカ美術と朝河貫一」:増井由紀美氏
15:00~15:25 報告3「日米関係から見た朝河貫一」:三牧聖子氏
休憩
15:35~16:35 ラウンドテーブル「戦争に向かう日米関係と朝河貫一」:五百籏頭眞氏、ダニエル・ボツマン氏、三牧聖子氏、増井由紀美氏、陶波氏、山内晴子氏
16:35~16:40 閉会の辞