公開シンポジウム「江戸川乱歩自筆資料の魅力と可能性」

INFORMATION

  • 2023年11月12日(日)13:00~18:00
  • 池袋キャンパス 8号館1階 8101教室

「貼雑年譜」は、江戸川乱歩が収集、整理、保存した膨大な資料が貼り付けられたスクラップブックである。乱歩自筆のメモ、日記、原稿類のほか、作家や出版関係者からの書簡、映画・演劇のパンフレットやプレスシート、国内外の新聞雑誌の切り抜きなど、多岐にわたる2,600点以上の原資料が乱歩のコメント等とともに台紙に貼り付けられている。本学大衆文化研究センターでは、この間、丸善雄松堂のJ-DAC「近代文学作家自筆資料集」をプラットフォームとしてオンライン公開するための準備を進め、2023年11月に『貼雑年譜』全9巻を詳細な目録付きでオンライン公開することになった。このスクラップブックは、過去に第1巻、第2巻が復刻出版されたことがあるだけで、第3巻以降はほぼ未公開資料となっていた。特に戦中・戦後の巻に関しては乱歩が関わった出版物、映画・演劇、テレビ・ラジオなど、様々な広告宣伝資料、国内外の翻訳に関するメモやチラシ等が含まれている。また、日本文学報国会、大政翼賛会や隣組等に関する原資料も多数残されており、戦時を生きた作家の記録としても極めて貴重である。本シンポジウムでは、過去の復刻に携わった編集者、江戸川乱歩のご遺族、そして、オンライン版の解題を担当した研究者が登壇し、江戸川乱歩研究および日本の探偵小説史における『貼雑年譜』の価値を考えるとともに、オンライン版資料を活用した研究の可能性を検討する。

登壇者、コーディネーター

本学文学部文学科日本文学専修教授、江戸川乱歩記念大衆文化研究センター長
石川 巧

登壇者

本学文学部文学科日本文学専修教授
金子 明雄
本学文学部文学科日本文学専修准教授
尾崎 名津子
本学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター助教
後藤 隆基
東京創元社元社長、ミステリ評論家、ミステリ専門書店「TRICK+TRAP」元店主
戸川 安宣(とがわ やすのぶ) 氏

1970年、立教大学文学部史学科卒。在学中に立教ミステリ・クラブを創立(顧問は江戸川乱歩の子息である平井隆太郎)。東京創元社の社長、会長を歴任。ミステリ評論家。ミステリ専門書店「TRICK+TRAP」元店主。日本推理作家協会会員。本格ミステリ作家クラブにおいて事務局長を担当。共著に『少年探偵団読本—乱歩と小林少年と怪人二十面相』(情報センター出版局、1994)、『本格ミステリ・ベスト100 1975-1994』(東京創元社、1997)、『暗号と名探偵』(ポプラ社、2001)、『幻影城の時代:完全版』(講談社、2008)、『ミステリーが生まれる』(風間書房、2008)、『ベスト本格ミステリ2013』(講談社ノベルス、2013)、『ミステリ編集道』(本の雑誌社、2015)、『ぼくのミステリ・クロニクル』(国書刊行会、2016)など。

株式会社エリエイ代表取締役、江戸川乱歩ご令孫、日本鉄道模型の会理事長、としまユネスコ協会代表理事、公益財団法人としま未来文化財団評議員
平井 憲太郎(ひらい けんたろう) 氏

1950年東京都豊島区生まれ。幼時から鉄道、鉄道模型を趣味とし、立教高校在学中の『鉄道ジャーナル』編集アルバイトをきっかけに鉄道趣味書出版の世界に入り、68年友人と共に写真集『煙』を出版。本学卒業後、株式会社エリエイに鉄道出版部門を立ち上げ、74年より鉄道模型月刊誌『とれいん』を発刊。江戸川乱歩の孫であり、幼少期から少年時代をともに過ごした。

詳細情報

名称

公開シンポジウム「江戸川乱歩自筆資料の魅力と可能性」

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 不要
  • 参加費 無料

主催

江戸川乱歩記念大衆文化研究センター

共催

文学部日本文学会、科学研究費(基盤研究B)「近代日本探偵小説の資料保存とアーカイブ・ネットワークに向けた基礎的研究」(代表:小松史生子、2023-2026)

備考

お問い合わせ

江戸川乱歩記念大衆文化研究センター

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