公開講演会「ソーシャルデザインにおける竹:ブラジルでの大学と地域社会との連携」
INFORMATION
環境破壊やグローバルな社会的不平等がもたらす21世紀の危機を前に、世界における価値観と慣習の転換を図る教育が急務となっている。この意味で、プロジェクト活動を通じて人々の行動変容を促し、選択肢を増やすことは、ソーシャルデザインの役割である。同時に、人々との関係を確立し、彼らが暮らすまさにその場所で、より持続可能な世界に向けて行動するよう促すことにも貢献する。また植物および素材としての竹は、気候変動の影響を緩和する潜在力はもとより、その加工プロセスを通じて教育的側面をも持ち合わせている。
本講演では、竹の加工プロセスにおけるソーシャルデザインの役割、及びその活動を通じて見えてきたデザイン専攻の学生による地域コミュニティとの関係性について取り上げる。なお、このプロジェクトは、集団作業や協業体験によって地域社会の一員としての意識付けを狙ったものであり、自主性を育てるものである。
スピーカー
博士、文化経営者、研究者、UNESPバウルのデザイン博士、Projeto Bambu - Laboratório de Experimentação e Pesquisa com Bambu, UNESP Bauru、ブラジル
Silvia Sasaoka 氏
同大学で竹の実験・研究所の研究グループProjeto Bambuのメンバーである。ソーシャルデザインと手工芸を融合させた地域開発プロジェクトに取り組む。Museu do Objeto Brasileiroのプロジェクト・ディレクター(1999-2002)、NPO Artesanato Solidário‐Artesolのデザイン・コンサルタント(2002-2011)などを務めた。2002年に国際交流基金の助成を受け、民藝の研究を行い、短編ドキュメンタリー「Mingei – Em busca do artesanato popular do Japão」を制作した。
通訳者
日本語ポルトガル語同時通訳・翻訳者
弓場 パブロ 氏
日ポル同時通訳・翻訳者(2012年~現在)。サンパウロ州立大学で経営学部パブリック・アドミニストレーション学科卒業(2006年)。主にブラジル国内最大銀行での業務改善プログラムを担当していた日本のコンサルティング会社にて通訳業務の提供。また、多数の製造現場にてコンサルティング通訳。その他日本政府機関でのイベント通訳対応や複数企業の会議通訳も担当。