2022年度 秋季人権週間プログラム「しょうがいしゃ差別を〈語り〉なおす」(「立教大学ヒューマン・ディグニティ宣言」コラボレーション企画)
INFORMATION
本学では2021年4月に「立教大学ヒューマン・ディグニティ宣言」を公表し、本学のすべての学生・教員・職員が協働して「人間の尊厳」を大切にする働きに具体的に取り組むことを最重要課題とした。そこで今回のプログラムでは、しょうがいしゃに対する差別を取り上げる。
日本では2016年に障害者差別解消法が施行され、しょうがいしゃが生きていくための社会資源は整えられつつあるようにも見える。
しかし、一方でそうした努力を根底から否定するような事件が起き、しょうがいしゃが日々の暮らしに不安を覚えるような空気が漂っている。
戦後、しょうがいしゃは差別を乗り越えるために社会に対してさまざまな異議申し立てを行ってきた。本講演では、当事者たちによる反差別運動の歴史と理念を振り返り、「さまざまな人々が共に生きる社会」の在り方について考える。その際、特に「ことば」という面から、差別の問題を捉えなおすことを試みる。
講師
二松学舎大学文学部准教授
荒井 裕樹(あらい ゆうき) 氏
1980年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科付属次世代人文学開発センター特任研究員を経て、現職。
専門は障害者文化論、日本近現代文学。
著書に『障害と文学:「しののめ」から「青い芝の会」へ』(現代書館、2011年)、『隔離の文学:ハンセン病療養所の自己表現史』(書肆アルス、2011年)、『生きていく絵:アートが人を「癒す」とき』(亜紀書房、2013年)、『差別されてる自覚はあるか:横田弘と青い芝の会「行動綱領」』(現代書館、2017年)、『障害者差別を問いなおす』(ちくま新書、2020年)、『車椅子の横に立つ人 : 障害から見つめる「生きにくさ」』(青土社、2020年)、『まとまらない言葉を生きる』(柏書房、2021年)、『凛として灯る』(現代書館、2022年)、『障害者ってだれのこと?:「わからない」からはじめよう』(平凡社、2022年)などがある。2022年、「第15回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。『朝日新聞』文化面に「荒井裕樹の生きていく言葉」を連載中。