第86回ジェンダーセッション「グローバルな市場・企業とジェンダー・ダイバーシティ」
INFORMATION
政府が音頭を取り、最近10年近く女性活躍に取り組んできたにも関わらず、世界経済フォーラムのグローバルジェンダーギャップ指数ランキングで日本は120位と非常に低いです。「女性活躍」と「ジェンダー平等」その共通点と相違点は何でしょうか。特に日本社会に欠けている「人権感覚」をキーワードにして解説します。実は女性活躍を目指し、女性従業員だけを集めて研修することは、効果がないと海外の研究で明らかになっています。男女のケア労働分配を変える、つまり性別役割分担と男性の働き方を変えることが真のジェンダー平等には必要です。
日本が足踏みをしている中、世界を股にかけ、兆単位の巨額なお金を運用する機関投資家(年金基金など)が近年、長期的な視点でジェンダー・ダイバーシティに着目しています。なぜジェンダー・ダイバーシティはマクロ経済の中で「買われる」ようになったのでしょうか。長期的・地球規模では人権とビジネスの融合を目指す動きが広がっていること、ジェンダー・ダイバーシティは非常に重要な要素であることをお伝えします。
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授
治部 れんげ 氏
日経BP社にて経済記者を16年間務める。ミシガン大学フルブライト客員研究員などを経て2021年4月より現職。ジェンダー関連の公職に内閣府男女共同参画計画実行・監視専門調査会委員、東京都男女平等参画審議会委員、豊島区男女共同参画推進協議会会長など(いずれも現職)。一橋大学法学部卒、同大学経営学修士課程修了。著書に『稼ぐ妻 育てる夫:夫婦の戦略的役割交換』(勁草書房、2009年)、『炎上しない企業情報発信:ジェンダーはビジネスの新教養である』(日本経済新聞出版社、2018年)、『「男女格差後進国」の衝撃』(小学館、2020年)、『ジェンダーで見るヒットドラマ—韓国、日本、アメリカ、欧州』(光文社、2021年)、『きめつけないで!「女らしさ」「男らしさ」:みんなを自由にするジェンダー平等』1~3巻(汐文社、2021~2022年)等。