【定員に達したので申込みを終了しました】公開セミナー「「人間」「にんげん」と1970年代の社会運動——その論理と歴史的位置を探る」
INFORMATION
近年、1960~1970年代の社会運動が、約半世紀を経過して改めて歴史的に問い直されている。なかでも、少数者による諸運動に注目した際に重要なことは、「人間として」という言葉が、自らの運動を正当化する際に度々用いられたという点である。ここでの「人間として」という論理は、近代日本において十分に定着しなかったとされる「人間の尊厳」をベースとした「人格」観念と同義とはいえないが、他方で「人間」という言葉は、たとえば、1973年に川崎市で構想された「川崎都市憲章」において「「人間都市」川崎」という表現がみられるように、地方自治体の政策理念にも用いられた。それでは、1970年代の社会運動は、「人間」(あるいは「にんげん」)という言葉を、なぜ、どのような意味で用いたのであろうか。その意味を追究し、1970年代の社会運動が発信した自らを正当化するための観念に関する理解を深めるとともに、「当事者主権」や「多様性」という価値が尊重されるようになっていく1990年代以後とも関連づけて、その歴史的位置を究明する。当日は、本センター認定の研究プロジェクトメンバーらによる、部落解放運動や障害者運動、冤罪事件の救援運動に関する報告を踏まえ、雇用関係史、出入国管理史研究を専門とするスピーカーによる報告・コメントを得て、さらにはフロアからの質問・意見を交えて議論し、本テーマへの理解を深めることを目的とする。
スピーカー
埼玉大学経済学部教授
禹 宗杬 氏
東京大学大学院経済学研究科現代経済専攻博士課程退学、博士(経済学)。専攻は雇用関係論、社会政策論。主たる研究テーマは雇用慣行と雇用政策の国際比較。主要業績として、禹宗杬「『雇用区分廃止』の人事戦略—背景・要因・効果—」『社会政策』第13巻第2号、2021年11月、21-33頁、及び禹宗杬「『一億総活躍』と身分制雇用システム」『社会政策』第11巻第3号、2020年3月、14-28頁。
本学兼任講師、一橋大学兼任講師
李 英美 氏
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。専攻は歴史学。主たる研究テーマは戦後日本の出入国管理・人の移動・国籍(シティズンシップ)問題。主要業績として、李英美「朝鮮戦争前後の「密航」防止活動における住民の活用」『年報日本現代史』特集「朝鮮戦争と戦後日本」25号, p.129-162, 2020年12月、及び李英美「<境界>をつくる-1950年代初頭の外国人登録実施事務」『同時代史研究』10号、p.3-19、2017年12月。
詳細情報
名称
対象者
申し込み
- 事前申し込み 必要
- 参加費 無料
【定員】
12名
※定員に達したので申込みを終了しました。