公開講演会「女の子はどう生きるか、ついでに男の子もどう生きるか——上野千鶴子氏と立教大生の対話」
INFORMATION
近年、女性活躍やジェンダー平等が社会の目標として掲げられる機会が増えています。その一方で、医大入試における女子学生差別やワンオペ育児・介護などの問題は後を絶たず、SNSを開けば女性に対する不公正を正当化するような物言いが目に入ります。家庭や学校などの身近な場所でのちょっとしたやり取りのなかでも、偏見を「常識」として語るような言葉にモヤモヤとした違和感を覚えたことのある人は多いのではないでしょうか?
女性教育の必要を訴え、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの父親は、娘の育て方について「娘の翼を折らないようにしただけ」と語りました。この言葉を参照しつつ、上野千鶴子氏は近著『女の子はどう生きるか』(岩波書店、2021年)で、女性の意欲を妨げないような生き方/育て方を説いています。そこで今年度の公開講演会ではフェミニストの大先輩である上野氏をお招きし、同書をめぐって現役の立教大生/院生の疑問にお答えいただきます。世代を超えた対話を通じて、私たちがいつの間にか内面化している「常識」の障壁を、いかに取り外せばよいのかについて考えます。
講師
東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長
上野 千鶴子 氏
社会学者。専門は女性学、ジェンダー研究。この分野のパイオニアであり、指導的な理論家のひとり。高齢者の介護とケアも研究テーマとしている。2013年から2018年まで立教セカンドステージ大学で客員教授を務め、その経験の一部は『情報生産者になる』(ちくま新書、2018年)に紹介されている。1994年、『近代家族の成立と終焉』(岩波書店)でサントリー学芸賞受賞。その他著書多数。最新刊に『女の子はどう生きるか——教えて、上野先生!』(岩波書店、2021年)、『在宅ひとり死のススメ』(文藝春秋、2021年)など。