公開講演会「メキシコ、ベラクルスにおける民衆音楽—口承から大学教育へ」
INFORMATION
メキシコ国立ベラクルス大学音楽学部講師であり、ベラクルス州を代表する伝統音楽楽団《トレンウイカニ》のメンバーである音楽家ルベン・メルガレホ氏をゲスト講師に迎え、レクチャーと実演からなるオンライン講演会を実施します。メルガレホ氏は、現在ベラクルス大学に整備されつつある伝統音楽専修の学士課程創設のプロジェクトに中核的教員スタッフとして参画しておられます。大学教育における伝統音楽の専修課程はラテンアメリカにおいて先駆的であると同時に、世界的に見ても希少です。
講演では、1970年代まで口頭伝承に依存してきたメキシコ伝統音楽が大学教育に取り入れられ、専修課程設立のプロジェクトに至る歩みを紐解き、高等教育における伝統文化の実践を考察します。実演では、メルガレホ氏が専門とするベラクルスの音楽をはじめ、メキシコ各地の伝統音楽を解説つきで実演紹介します。
講演と演奏
ベラクルス大学音楽学部民俗音楽専修課程専任講師
Rubén Melgarejo(ルベン・メルガレホ) 氏
1969年メキシコ、ベラクルス州ハラパ生まれ。伝統音楽奏者としては、ハラナ、レキントなどの伝統楽器を、クラシック音楽ではヴァイオリンを演奏。2001年より楽団《トレンウイカニ》に参加。ハラナ、レキント、ベース、アルパ、バイオリンを担当。同時にベラクルス大学で教鞭をとりはじめる。ラテンアメリカ各地の伝統音楽を現地で習得。クラシック音楽あるいはメキシコ音楽の演奏家として、これまで全世界20カ国を訪演。作曲家・編曲家としても伝統音楽とクラシック音楽の両分野で様々な楽団に楽曲を提供している。
司会・コーディネーター・通訳
本学ラテンアメリカ講座講師、東京大学教養学部教授
石橋 純(いしばし じゅん) 氏
専門は文化人類学、ラテンアメリカ文化研究。ラ米の民衆文化、民衆音楽、民族運動、人種主義と人種差別を研究。主著『熱帯の祭りと宴:カリブ海域音楽紀行』つげ書房新社、『太鼓歌に耳をかせ』松籟社、共著『中南米の音楽』。