第83回ジェンダーセッション「ウィキペディアとジェンダー」
INFORMATION
調べ物をする時に真っ先に見るサイトのひとつとしてあげられるのがウィキペディアです。しかしながらウィキペディアに関してはさまざまな問題点が指摘されており、その中のひとつに女性のウィキペディアンが少ない、女性の人物記事が少ない、女性に関する記事が軽視されやすいといったようなジェンダーバイアスの問題があります。これはウィキペディア自体の信頼性の向上にもかかわる問題です。
本講演では、ウィキペディアの基本的な仕組みと、そのせいでどのように社会に広く存在するジェンダーバイアスが温存されやすくなっているか、そしてジェンダーバイアスを減らすためにどのような対策が行われるようになっているのかについて解説します。
講師
武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授
北村 紗衣(きたむら さえ) 氏
東京大学で学士号及び修士号を取得後、2013年にキングズ・カレッジ・ロンドンにて博士課程を修了。専門はシェイクスピア、舞台芸術史、観客研究、フェミニスト批評。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち──近世の観劇と読書』(白水社、2018)、『お砂糖とスパイスと爆発的な何か——不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』(書誌侃侃房、2019)、訳書にキャトリン・モラン『女になる方法——ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記』(青土社、2018、単訳)、ヘンリー・ジェンキンズ『コンヴァージェンス・カルチャー——ファンとメディアがつくる参加型文化』(晶文社、2021、渡部宏樹・阿部康人と共訳)、論文に「ウィキペディアにおける女性科学者記事」『情報の科学と技術』70 (2020): 127-133、“A Rose by Any Other Name May Smell Different: Why Are the Japanese Titles of Shakespearean Films So Odd?”, Critical Survey, 33.1 (2021): 59-71. “How Should You Perform and Watch Othello and Hairspray in a Country Where You Could Never Hire Black Actors? Shakespeare and Casting in Japan”, Multicultural Shakespeare, 22 (2020): 87-101など。