公開講演会「アタッチメント・スタイル面接の最近の発展 —子ども用のASIや臨床応用—」
INFORMATION
アタッチメントは、人間の精神的健康の基礎となる対人関係システムであり、親子関係のみならず夫婦関係や友人関係など対人関係全般における重要性が注目されている概念である。心理学的な支援関係の基礎である信頼関係を構築するにあたり、安心なアタッチメント関係を作ることが重要である。
アタッチメント・スタイル面接はイギリスのビフィルコにより産後うつ病の国際研究において開発された面接方法であり、1998年に九州大学(当時)吉田敬子講師により日本に導入され、吉田と林と池田によるアタッチメント・スタイル研究会により研究や病院・福祉施設などの臨床現場での臨床応用が展開されてきた。
アタッチメントの測定は、幼児と思春期以上の人については多様な方法が開発されているが、小学生の年代の子どもを対象とした測定方法は極めて少ない。昨年度、日本に導入された子ども用アタッチメント・スタイル面接は小学生の年代への面接方法として今後の発展が期待される。
そこで、新たな子ども用アタッチメント・スタイル面接を紹介するとともに、アタッチメント概念の臨床への応用を広く議論したい。近年問題になっている虐待の予防や対応においても、アタッチメントの概念は重要な役割を果たすものである。
本講演会においては、最初に林からアタッチメント・スタイル面接について、子ども用のアタッチメント・スタイル面接を含めて紹介し、次に吉田敬子氏から臨床応用について、さらに池田真理氏から研究についてそれぞれ講演していただく。最に、フロアもまじえて広くアタッチメント概念の活用について議論する。
なお、この講演会は、学部生や一般の方々を対象としたものであるが、同時に、大学院生、研究者、臨床家の中で、アタッチメント・スタイル面接の訓練を受けることを希望する人のための基礎コースという位置づけを兼ねている。
登壇者
医療法人 風のすずらん会 あいりす医院長
吉田 敬子(よしだ けいこ) 氏
医療法人 風のすずらん会 あいりす医院長。約20年にわたり、九州大学病院において、アタッチメント・スタイル面接を用いて、産後うつ病の研究および臨床を行ってきた。現在は精神科クリニックあいりすにおいて、臨床および研究を続けている。日本におけるアタッチメント研究の第一人者である。
東京女子医科大学 看護学部教授
池田 真理(いけだ まり) 氏
東京女子医科大学 看護学部教授。アタッチメント・スタイル面接を用いて産後うつ病の縦断研究を行ってきた。現在はアタッチメントを生かした夫婦関係における介入研究を行っている。
本学現代心理学部教授
林 もも子(はやし ももこ)
本学大学 現代心理学部教授。アタッチメント・スタイル面接を用いて思春期の親子を対象とする研究を行ってきた。近年はアタッチメント・スタイル面接の臨床応用の可能性を模索している。
詳細情報
名称
対象者
申し込み
- 事前申し込み 要
- 参加費 有料
ASI-J 研究会(アタッチメント・スタイル面接研究会)([email protected])宛にメールで申し込み。
※先着100名