公開講演会「神の発明(The Invention of God)」
INFORMATION
誰が神を発明したのか。いつ、なぜ、どこにおいてか。「発明」という言葉を用いるときそれは何を意味するのか。本講演では、イスラエルにおける信仰とその文脈を、青銅器時代から旧約聖書時代の終わりである紀元前 3 世紀まで辿り、初期鉄器時代にヤハウェがエドムやアラビア半島北西部のどこかで野生と嵐と戦いの神として出現した起源を探し出し、長い伝統を持つ歴史的・文献学的・解釈学的研究と近年の考古学と碑文とに依拠して、ヤハウェ、神、アッラーといった一神教の神の進化を跡付ける。ヤハウェは断続的にイスラエルとエルサレムの唯一神になり、おそらくは元来配偶女神であったアシェラ女神を含む他の神々を徐々に脇に追いやり始めたが、イスラエル人がヤハウェを唯一神、天地の創造者として、それにもかかわらず一つの民族と特別な関係を宣言する存在として崇拝するようになるには、エルサレムとユダの破壊という大いなる破滅的状況を待たねばならなかった。これがまたユダヤ教の勃興にもなったのである。
講師
コレージュ・ド・フランス/ローザンヌ大学教授
Thomas C. Römer 氏
ハイデルベルク大学博士課程修了。主な著書に、Israels Väter(1991)、Dieu obscur : Cruauté,sexe et violence dans l'Ancien Testament(1996)、『モーセの生涯(原題:Moïse « lui que Yahvé a connu face à face »)』(創元社、2003)、『申命記史書 —旧約聖書の歴史書の成立(原題:The So-Called Deuteronomistic History)』(日本キリスト教団出版局、2008)、L’Invention de Dieu(2014)、Naissance de la Bible : comment elle a été écrite(2018)等多数。
詳細情報
名称
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料