第75回ジェンダーセッション 「「人形」は「女の子」のものなのか:人形をめぐる近現代史」
INFORMATION
現代社会において「人形は女児の文化に属する」という価値概念は支配的である。しかし、前近代では多様な階層やジェンダーに親しまれた文化であった。こうした大規模なパラダイムシフトは日本の近代化と歩みをともにしている。つまり、西欧のジェンダー観の社会への浸透とともに、次第に人形は女児文化に位置づけられるようになった。
本セッションでは、このような歴史をたどりながら、明治初期の国語教科書『小学読本』、『少女之友』『少女倶楽部』などの戦前の少女雑誌、戦中の慰問人形、リカちゃん人形をはじめとした戦後のファッションドールなどを例に、人形を通して少女たちに課せられたジェンダー役割について考えてみたい。
講師
日本学術振興会特別研究員—RPD
吉良 智子 氏
日本学術振興会特別研究員—RPD。専門は近現代日本美術史、視覚文化論。近代日本の女性アーティストと戦争、ミュージアムにおける戦争展示とジェンダー、近代現日本における人形とジェンダーについて研究している。主な著書・論文は、『戦争と女性画家もうひとつの「近代」美術』(ブリュッケ、2013年)、『女性画家たちの戦争』(平凡社、2015年)、「ハワイ・アリゾナ記念碑における日本の表象とジェンダー」(『ジェンダー史学』2017年12月)、「「あるべき」女児用人形とは何か——「妊娠」した女児用人形をめぐって」山崎明子、藤木直実編著『〈妊婦〉アート論孕む身体を奪取する』(青弓社、2018年)など。
詳細情報
名称
第75回ジェンダーセッション 「「人形」は「女の子」のものなのか:人形をめぐる近現代史」
対象者
本学学生、教職員、校友、一般
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料
主催
ジェンダーフォーラム