第74回ジェンダーセッション「描かれた鏡と映し出された女たち:女性表象の可能性と不可能性をめぐって」
INFORMATION
女を描くことは可能なのだろうか。可能だとすれば、どのような表現があるのだろうか。これはフェミニスト・アートのアーティスト達がその作品で問い続けてきたことである。そしてこの問いは、視覚文化において、女の表象がしばしば類型的なイメージに陥る現実を浮かびあがらせる。本セッションでは、西欧近代の絵画や写真に登場する鏡と女のイメージを例にとりあげながら、女を描くことの可能性と不可能性について考えてみたい。
西欧美術において、鏡と女性がともに絵画に描かれた例としては、若い女性が鏡にむかって身づくろいをする姿を描いたトワレットや閨房画がある。また図像学的伝統において、描かれた鏡は虚栄心やあるいはまた、絵画であることを指し示す自己言及的な記号である。同時に、現代のフェミニスト・アートの文脈において鏡は、女性のセルフ・イメージの問題に関連するモチーフとして登場することが多い。鏡と女のイメージを見ながら、女を描くことにまつわる多様な問題を考える。
講師
本学アメリカ研究所特任研究員
江崎 聡子
立教大学アメリカ研究所特任研究員。アメリカ視覚文化、アメリカ美術研究が専門である。
特に女性やマイノリティの表象とそれに関連する問題について研究している。著書に『描かれる歴史、発見される風景:アート・国家・ミソロジー』(共著)(ありな書房、2016 年)、『ニューヨーク:錯乱する都市の夢と現実』(共著)(竹林舎、2017 年)、『描かれる他者、攪乱される自己:アート・表象・アイデンティティ』(共著)(ありな書房、2018 年)などがある。
詳細情報
名称
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料