公開シンポジウム「間とあいだの現象学」
INFORMATION
身体知・技能知は、主体と世界との相互作用のなかで、また、他人とのコミュニケーションのなかで密かに作動している。つまり、それは、私たちのさまざまな実践に深く結びついている。このように重大な役割を担っているにも関わらず、この種の知識に対して、いままで総合的な研究が行われてこなかった。そこで、3月14日の本シンポジウムでは、身体知・技能知を理解するうえで重要だと思われる「間」という概念に焦点を合わせ、哲学、心理学、教育学など、複合的な観点から、この独特の知識について検討する。また、前日の13日・16日は、身体知の新たな現象学的記述を可能にする動画データベースの公開および講習会を行う。
シンポジスト
パリ第五大学教授(Professeur de Universités, Directeur du Laboratoire TEC, UFR STAPS,)
Bernard Andrieu 氏
専門は神経科学の哲学、身体の科学認識論、スポーツ哲学。著書に、L'écologie corporelle. Paris, Harmattan, 2017., Sentir son corps vivant. Emersiologie 1. J. Vrin, 2016., Les Avatars du corps. Hybridités et Somatechnies, éd. Liber, 2011など多数がある。
慶應義塾大学教授
諏訪 正樹 氏
慶應義塾大学教授。専門は、認知科学、デザイン学、一人称研究。日本認知科学会で常任運営委員、編集委員。New Generation Computingでは、Area Editor。著書に、『身体が生み出すクリエイティブ』(ちくま新書、2018)『「こつ」と「スランプ」の研究 –身体知の認知科学』(講談社メチエ、2016)、『知のデザイン–自分ごととして考えよう』(近代科学社、2015)、『一人称研究のすすめ –知能研究の新しい潮流』(近代科学社、2015)など多数ある。
首都大学東京教授
樋口 貴広 氏
専門は、スポーツ科学、実験心理学。著書に、『運動支援の心理学』(三輪書店、2013)、『身体運動学 ---知覚・認知からのメッセージ』(三輪書店、2008)など多数ある。
パリ第五大学客員研究員(chercheur invite en philosophie et anthropologie, Laboratoire TEC, UFR STAPS,3月より)
奥井 遼 氏
専門は臨床教育学、教育哲学。著書に、『〈わざ〉を生きる身体』(ミネルヴァ書房、2015)、また論文に「「沈黙の声」にみる身体的志向性–わざ研究へのメルロ=ポンティ現象学からの接近」(『京都大学大学院教育学研究科紀要』,2012)などがある。
早稲田大学大学院博士後期課程
友野 貴之 氏
専門は、認知が科学、実験心理学、生態心理学。論文に、「人はいかにして人と人の間を通り抜けられると判断するのか?−間隙アフォーダンス知覚の新たな展開」(『認知科学』24(3))、その他では、''How Do People Perceive Affordances for Passing Between Two People Facing in Different Directions? ''(The International Conference on Perception and Action 19 2017)などの発表がある。
パリ第五大学助教(ATER en philosophie et anthropologie, Laboratoire TEC, UFR STAPS)
Alexandre Legendre 氏
パリ第五大学博士課程修了。専門は身体の哲学、スポーツ哲学。共著書に、 Vocabulaire Philosophique du Sport, L’Harmattan, 2017がある。また、フランス哲学、東洋思想に関する論文が複数ある。
本学文学部教授
河野 哲也
専門は、現代哲学、倫理学。著書に、『いつかはみんな野生にもどる』(水声社、2016)、『現象学的身体論と特別支援教育』(北大路書房、2015)、『意識は実在しない---心・知覚・自由』(講談社メチエ、2011)など多数ある。
詳細情報
名称
対象者
申し込み
- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料