公開講演会「渋沢栄一が描いた日本社会のグランドデザイン — 《合本主義と道徳経済合一説》から学ぶ — 」
INFORMATION
1980年代より新自由主義に基づく、いわゆる市場原理型資本主義が世界に広がった結果、近年では、グローバルレベルでも国内でも貧富の格差が広がり、不満を持つ人々が増加し、社会は不安定化している。ある研究者は、資本主義は行き詰まりを見せ、終焉を迎えつつあると警鐘を鳴らしている。
こうした中、日本の資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一の思想と実践が、日本のみならず、海外でも関心を集め、研究活動が広がっている。栄一は、明治、大正、昭和初期の時代にまたがり、470社を超える会社設立と経営に関与し、一方で600以上とも言われる社会福祉事業や教育事業そして国際交流事業をリードしあるいは関与し、日本の近代化を推進した、いわゆる日本社会のグランドデザイナーだったと言えよう。彼の思想の根底にあったのは、官尊民卑打破、そして民間主導に基づく「合本主義と道徳経済合一説」であった。
本企画では、渋沢栄一の曾孫である講師が、今なぜ渋沢栄一なのか? 現代社会に、特に若者に伝えたい栄一の実践からのメッセージは何か? を中心に講演を行う。講演中、学生代表との対話の時間を持つ予定。
講師
公益財団法人 渋沢栄一記念財団理事長
渋沢 雅英 氏
1950年、東京大学農学部卒業。1964年、財団法人MRAハウスを創設、代表理事に就任。1982~84年まで英国王立国際問題研究所客員研究員。1985~86年、1989~1990 年、アラスカ大学客員教授。1992~93年、ポートランド州立大学客員教授、1994年~2003年まで学校法人東京女学館理事長・館長を務めた。現在、公益財団法人渋沢栄一記念財団理事長。近年、国内外からの要請を受け、渋沢栄一の資本主義や官尊民卑の打破についての考え方や、ライフワークとして取り組んだ社会事業等をテーマに数多くの講演活動を行う。2013年11月には、パリのOECD本部会議場で開かれたシンポジウムで「Pioneering Ethical Capitalism」と題する講演を行っている。父は日銀総裁等を務めた渋沢敬三で、渋沢栄一は曽祖父である。
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名称
対象者
※申込不要、入場無料