公開講演会「〈異他なる空間〉(ヘテロトピア)へ ── 詩・映像・景観」
INFORMATION
フランスの哲学者ミシェル・フーコーが提示した「ヘテロトピア」という空間概念について、さまざまな文化領域で、それがどのように希求され実践されているかを、具体的な作品や文化状況を参照しつつ明らかにする。複数の専門領域が重なり合う場で、場合によってはフランス現代哲学のディシプリンから切り離されたところで、芸術や文学、人文地理学、文化論の分野にヘテロトピアという概念を横領・領有する。そのことを通じて、どのような視座の変化が可能になるのか。それをできる限り具体的な作品や文化状況に言及しながら論じてみることによって、必ずしも定義の定まっていないヘテロトピア概念のアモルフな故の可能性を具体化する。
「アトリエはどこにあるか ── 作品が作られる場についての具体的な報告」
多摩美術大学准教授
石田 尚志 氏
画家・映像作家。慶應義塾高等学校中退後、那覇で真喜志勉に絵画を師事、イメージフォーラム付属映像研究所、多摩美術大学講師(2006~2010)を経て2010年より現職。2003年カナダ・イメージーズ映画祭最優秀国際映画賞、2007年第18回五島記念文化賞受賞。愛知芸術文化センターオリジナル映像作品《フーガの技法》(2001年)、横浜美術館での滞在制作作品《海の壁-生成する庭》(2007)等で注目を集める。近年の展覧会に「躍動するイメージ 石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」(2009、東京都写真美術館)、「MOTコレクション 特集展示 石田尚志」(2011、東京都現代美術館)、「ダブル・ヴィジョン—日本現代美術展」(2012、モスクワ市近代美術館ほか)等がある。2015年には横浜美術館で大規模個展「石田尚志 渦巻く光」開催予定。また、「トロント国際映画祭」(2006)などの国際映画祭への参加、パフォーマンスや他分野の表現者とのコラボレーションなど、ジャンルを横断した活動も展開している。
「入植の記憶と写真」
明治大学教授
倉石 信乃 氏
近現代美術史・写真史・美術館論。多摩美術大学美術学部卒業後、横浜市美術館学芸員(1988~2007)、明治大学准教授(2007~2012)を経て2012年より現職。第4回重森弘淹写真評論賞(1998年)、日本写真協会賞学芸賞(2011年)受賞。横浜美術館学芸員として「マン・レイ展」「ロバート・フランク展」「菅木志雄展」「中平卓馬展」「李禹煥展」など数多くの展覧会を担当。主任学芸員としてユニークなキュレーションを構成するなど、美術展示や美術批評の領域で独創的な活動を展開。
「北アイルランドの現代詩人が送る〈ヘテロトピア〉への招待状」
明治大学教授
虎岩 直子 氏
イギリス諸島文学・文化論。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科英文学科博士後期課程単位習得退学、サセックス大学大学院Ph. D.コース、Ph.D. in English Literature (2006 年取得)。明治大学専任講師(1994-1997)、明治大学准教授(1996-2002)を経て、2002年より現職。専門はイギリス諸島の文学・文化研究。現代アイルランド文学、特に現代北アイルランド詩についての論文多数。メーヴ・マッガキアンや北アイルランド初代桂冠詩人であるシュネード・モリッシー論や翻訳などを手がけている。
「アメリカ原子力開発とヘテロトピアの地理空間 ハンフォード・サイトを事例に」
明治大学教授
石山 徳子 氏
北米地理学研究、人文地理学。日本女子大学文学部英文学科(アメリカ研究専攻)卒業、ラトガース大学大学院地理学研究科博士課程修了、地理学Ph.D. (2002年取得)。明治大学政治経済学部専任講師・准教授を経て、2012年より現職。専門は地理学、地域研究(アメリカ合衆国)。アメリカ合衆国の地理環境や、原子力開発問題について、人種、階級、ジェンダー、セクシュアリティによる格差や差別構造との関連という観点から研究している。
「鏡のヘテロトピア」
本学文学部教授
林 みどり
詳細情報
名称
対象者
※申込不要、入場無料