講演会「被災地に何をみるのか — 福島県浜通りの『観光』と『生活(ライフ)』」

INFORMATION

  • 2014年10月12日(日)13:30~16:30
  • 池袋キャンパス 太刀川記念館3階 多目的ホール

本講演会の主題は、東日本大震災後の「災害と観光」が置かれている現状と課題を、福島県浜通りで実践されている異なる二つのスタディーツアーを例に考えることである。「災害と観光」を巡っては、阪神・淡路大震災や、新潟中越沖地震など大規模な震災を経験した土地で、その記憶と教訓を未来に引き継ぐ試みとしての「観光(ツアー)」の実践例があり、東日本大震災でも同様の模索が始まっている。最近では、震災4年目の2015年度に予定される「ふくしまデスティネーションキャンペーン」に先立って、「復興」「防災」など多様な狙いを持つツアープログラムが競うように宣伝されている。しかし、福島県では、今なお続く原発事故避難と放射能汚染という現実によって、従来の「災害と観光」にはなかったさまざまな局面も明らかになっている。首都圏に住む私たち=ツアー参加者の側に求められることは、多様なツアーの基層に流れている、大規模複合災害による被災・被害の理不尽さの「共感共苦」への願い、過ちを「繰り返さない」ための祈りと誓いを、ともに分かち合うことであろう。本講演会は、一見、大きく性格が異なってみえる「いわきスタディーツアー」と「原発事故被災地現地視察ツアー」に関わる2名をお招きして、ツアー実践の背景や企図を語って頂き、そこにある「生活(ライフ)」の存在を共有し、一過性ではない「災害と観光」の関係のあり方を探りたい。

講師

里見 喜生 氏

1968年福島県いわき市常磐湯本町生まれ。いわき湯本温泉で1695(元禄8)年から続く老舗旅館「古滝屋」16代目当主。2011年11月に、「NPO法人ふよう土2100」を設立、理事長就任。「100年後」(西暦2100年)を視野に入れた地域づくり・人づくりのために自分たちが「有機腐葉土となる」とのコンセプトで、被災者復興支援事業と、子育て・障害者支援事業を行っている。

金井 直子 氏

1965年東京都生まれ。1996年に楢葉町に移住。東日本大震災と原発事故により自宅が警戒区域に指定され、現在はいわき市に避難。原発事故によって避難した住民らが、生活再建のために必要な完全賠償と原状回復を求めて提起した「福島原発避難者訴訟」に参加。2012年12月3日に提訴された本訴訟は、以降各地で提起される原発事故による避難者らの集団訴訟の皮切りとなった。現在、原告団事務局長を務めながら、視察ツアーの運営に携わる。

詳細情報

名称

講演会「被災地に何をみるのか — 福島県浜通りの『観光』と『生活(ライフ)』」

内容

13:30~14:00
主催者挨拶・趣旨説明
関 礼子(本学社会学部教授)

14:00~14:50
講演
里見 喜生 氏
理事長をされている「NPO法人ふよう土2100」の活動概要、「知って、感じて、考える」をテーマとしたスタディーツアーの考案と実践について、さらに「観光業を卒業し、未来づくり業に転業した」というご自身の観光業と地域づくりへの思いについて語っていただく。

(休憩10分)

15:00~15:50
講演
金井 直子 氏
ご自身のふるさとである福島県楢葉町について、原告団事務局長を務めている「福島原発避難者訴訟」について、その中から生まれた「原発事故被災地現地視察ツアー」の実践と、被災地を訪れることの意味について語っていただく。

15:50~16:30
総括とフロア討議

対象者

本学学生、教職員、校友、一般
※申込不要、入場無料

主催

立教大学ESD研究所、立教SFR重点領域プロジェクト研究「課題解決型シミュレーションによるESDプログラムの研究開発」(2012-14年度)

共催

関 礼子ゼミナール、「大規模複合災害における自治体・コミュニティの減災機能に関する社会学的研究(2012-2014年度科学研究費補助金(基盤研究B))」グループ

後援

「水俣と福島をむすぶゆんたく」グループ

備考

詳しいチラシはこちらから

お問い合わせ

立教SFR重点領域プロジェクト研究担当(友澤)

TEL:03-3985-4031

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