光の不思議と宇宙の不思議

理学部による女子中高生向けプログラム「チャレンジ・ラボ」

2019/11/07

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

2018年8月31日、理学部「科学の未来を創る女子中高生チャレンジ・ラボ ~家族・先生と一緒に知ろう!! 多彩な理系の未来~」の一環で、「光の不思議と宇宙の不思議」が開催され、理系への進学を視野に入れている29名の女子中高生とその保護者が参加しました。

重力によって光が曲がる様子を疑似体験

本イベントで講師を務めたのは、宇宙物理学を専門とする理学部の北本俊二教授です。まずは導入として、理系における女性の割合について北本教授から説明があり、卒業後の進路や理系の魅力についての話を聞きました。

続いて行われた座学のテーマは「光の不思議」。光が進む方向やスピード、万有引力に関する講義を聞いた後、エレベーターに乗ったときの状況を想定した思考実験を行いました。さらに重力によって光が曲がる様子を疑似的に体験するため、ビー玉を用いて光の進路を観測。ビー玉を通して見えた図柄を模写し、参加者がそれぞれどのように見えたかを発表しました。

講義の最後には「宇宙の不思議」をテーマに、万有引力によって銀河の光が曲がる様子をスライドで確認。銀河がビー玉のような役割を果たして光の見え方を変える「重力レンズ」について学びました。

世界最高レベルのX線望遠鏡を間近で見学

後半の懇談会では、理学部に所属する大学院生と北本教授による質疑応答の時間が設けられました。まずは大学院生が自己紹介をかねて小惑星探査機「はやぶさ2」の研究内容について簡単に発表し、参加者からの質問に答えました。

中学生からは、大学生活に関する質問が寄せられ、実験やレポート作成、テスト前のスケジュールなど、リアルなキャンパスライフについて登壇した大学院生が紹介。さらに物理学科の講義内容に関しては、統計力学や物理数学などの必修科目、宇宙物理学概論などの選択科目、コンピュータ実験をはじめとする多彩な実験について北本教授が解説しました。
進路に関する質問も多く、物理学科出身者の就職先や、学部生と大学院生の就職率の違い、宇宙関係の仕事に就く方法についての疑問が寄せられました。さらに他大学を含めた各学部の研究内容や学部の選び方についても話が及び、教授の研究内容を鑑みながら進路を選ぶ方法が紹介されました。

最後に行われたのは、北本教授の研究室見学。現在開発中の宇宙X線天体を観測するための装置を間近で見ながら、X線望遠鏡の仕組みを学びました。参加者からは「全体を通して説明がわかりやすかった。見た目は筒状の棒だけど実はX線を使った世界最高クラスの望遠鏡だと聞き、最先端の研究が行われていて驚いた」などの声があがりました。

宇宙への興味が「やりがい」につながる

イベントの感想を参加者の皆さんに聞いたところ、パソコンを使った操作や実験に興味があるという参加者からは「『大学では理系学部で学びたい』という希望はあったものの、今までは宇宙に興味がなく、高校で理系を選んだ後の進路が見えずにいた。しかし今回のイベントに参加し、実験や見学を通して刺激を受けた」「夏休みを有効に使って進路選択につながる活動ができたと思う」という声が寄せられました。保護者たちは体験型のイベントを重視している様子で、子どもたちが積極的に勉強に取り組むようになったと喜ぶ声が上がりました。

北本教授は、「宇宙物理を専攻する学生のなかには、地球などの惑星や天体に関する知識をさらに深めたいという強い思いで入学する人も多数います。今回のイベントでは多くの参加者が真剣な表情で注意深く講演を聞いており、将来性を感じました。宇宙に関してはもちろんそれ以外の分野でも、自分自身がおもしろいと感じられるものを研究すると、想像以上のやりがいを感じられます。ぜひこれを機に『このジャンルを突き詰めたい』と思える分野を探してみてください」と語りました。
知識を得るだけではなく、特別な体験を通して進路選択のヒントを得た参加者たちは、誇らしげな表情で会場をあとにしました。今回のイベントによって、世界レベルの研究に携わるという理系の新たな一面を垣間見たようです。

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