環境学部(2026年4月設置構想中)、2024年夏のオープンキャンパスレポート
立教大学
2024/09/13
トピックス
OVERVIEW
2024年8月2日(金)・3日(土)、池袋キャンパスで開催したオープンキャンパスにおいて、環境学部(2026年4月設置構想中)の模擬授業および学部説明会を行いました。多くの高校生や保護者の方々が参加し、次代を担う新しい「環境リーダー」の育成を目指す新学部について理解を深めていただく機会となりました。
「環境リーダー」とは何か
「環境」をテーマに文理融合を実現する環境学部。理系と文系の教員がそれぞれ所属する予定となっており、この日は“理系代表”として小林潤司教授(専門:環境化学)、“文系代表”として二ノ宮リムさち教授(専門:環境教育学・ESD論)が教壇に立ちました。授業のテーマは「目指せ!環境リーダー 対話で創る持続可能な地域」です。
まずは、環境学部が育成を目指す「環境リーダー」という存在について考え、理解を深めてもらうところからスタート。環境学部のキーワードである「環境」「リーダー」「持続可能」からそれぞれ思い浮かぶワードを参加者の方々に考えてもらいました。ワードはリアルタイムでスクリーンに表示され、教員もそれに反応します。
まずは、環境学部が育成を目指す「環境リーダー」という存在について考え、理解を深めてもらうところからスタート。環境学部のキーワードである「環境」「リーダー」「持続可能」からそれぞれ思い浮かぶワードを参加者の方々に考えてもらいました。ワードはリアルタイムでスクリーンに表示され、教員もそれに反応します。
小林 潤司教授
二ノ宮リム さち教授
身の回りの環境問題「私ならどう行動するか」
環境学の基本的なポイントを押さえてもらった上で、具体的な問題について考える取り組みに移ります。今回の課題は、郊外に存在する架空のまちを舞台に、物流センター新設の是非を考えるというもの。物流センターが置かれると、そこにあったはずの自然環境が破壊され動植物たちの居場所がなくなります。また、ほかに考えられるのが景観の変化や、交通量増加による騒音、道路の劣化、ごみの増加といった問題。さらには、物流センター運営のために大量の電気が必要となるため、エネルギーの消費増大といった影響も懸念されます。参加者は「このような条件で、あなたならどうする?」という問いかけに向き合いました。「自治体に働きかける」「流通センターは必要なものだから仕方がないと静観する」「流通センターの運営会社に入社し、内側から変革する」といった多様な意見が寄せられました。
環境問題へのアプローチは1つではない
その後、教員から「自身の専門分野から見れば、どのように考えられるか」という解説がありました。
小林教授の場合は、化学という観点から環境の負荷を軽減するという考えです。「現代社会において物流センターを無くすことはできないのだから、消費されるエネルギーや排出される廃棄物をいかにして減らすかを考えるべきである」と、カーボンニュートラルやZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)※などの方法を例に挙げて説明しました。
※ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル):エネルギーの消費の抑制や再生可能エネルギーの導入などによって、エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物
小林教授の場合は、化学という観点から環境の負荷を軽減するという考えです。「現代社会において物流センターを無くすことはできないのだから、消費されるエネルギーや排出される廃棄物をいかにして減らすかを考えるべきである」と、カーボンニュートラルやZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)※などの方法を例に挙げて説明しました。
※ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル):エネルギーの消費の抑制や再生可能エネルギーの導入などによって、エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物
二ノ宮教授は、環境教育学の観点から持続可能な地域づくりの2つの方向性を取り上げました。1つは「権威に基づくワンマン的な地域づくり」。もう1つは「その地域に住むあらゆる主体の参画による地域づくり」で、二ノ宮教授は後者が重要であると主張。「持続可能な地域」という表現は、最近では「空っぽの記号」と揶揄されることがあります。多様な価値観、さまざまな立場の人間がいる現代において持続可能な地域とは、人によって全く異なるニュアンスを持たせることができるからです。だからこそ「教育・学習・対話が重要となる」と強調しました。
「誰も置き去りにしない社会にするためには『学習と対話の場』の創造が不可欠なのです」。二ノ宮教授が授業の最後に説明したのは、環境学部の目指す「環境リーダー」像でした。ここまでの授業にあったように、環境問題を解決するための学問分野は多岐に渡ります。環境リーダーとは、そのような多様な専門性や立場の異なる人たちをつなぎ、対話・協働の関係をつくることができる人間だとまとめました。
「誰も置き去りにしない社会にするためには『学習と対話の場』の創造が不可欠なのです」。二ノ宮教授が授業の最後に説明したのは、環境学部の目指す「環境リーダー」像でした。ここまでの授業にあったように、環境問題を解決するための学問分野は多岐に渡ります。環境リーダーとは、そのような多様な専門性や立場の異なる人たちをつなぎ、対話・協働の関係をつくることができる人間だとまとめました。
参加した高校生たちは、慣れない大学での授業に緊張しながらも、教員の話に真剣に耳を傾けました。化学と教育学という全く異なる観点から、同一の環境問題を考えるという特徴的な授業を通して、立教大学環境学部の特徴を体感してもらえたのではないでしょうか。
どのような学びがあり、どのような力を付けられるのか
模擬授業と併せて学部の説明会も実施。主な説明内容は環境学部が育成する力とそのカリキュラムに関するものです。
「気候変動」「大気汚染」「生物多様性」の3つをキーワードとする環境学部では、大きく分けて4つの力の育成を目指します。1つ目が「環境に関する基礎知識を自然科学・社会科学・人文科学の観点から幅広く身に付け、現実の課題と結び付けながら理解する力」、2つ目が「自然環境を科学的に捉え、社会経済システムに関わる技術と学識をそれぞれの立場で活用する力」、3つ目が「さまざまな関係者や異なる分野の専門家を、対話を通じてつなぎ、協働の関係を構築しながら地域社会及び国際社会に貢献する力」、4つ目が「“Environmental Justice(環境正義)”の概念を理解し、環境問題の解決と持続可能(サステナブル)な社会への変革のために行動する力」です。
他にも、専門分野だけに留まらず幅広い学びを提供する「リベラルアーツ教育」、一人ひとりの個性や強みを生かして対話と協働を重視する「リーダーシップ教育」、国内外の現地に赴いて企業や自治体と連携しながらプロジェクトを実施する「フィールドスタディ」など、立教大学が大切にしている学びの特徴についても解説がありました。
文系・理系を問わない幅広い学びを実現する環境学部は、2026年4月に設置構想中です。今後の動向にご注目ください。
「気候変動」「大気汚染」「生物多様性」の3つをキーワードとする環境学部では、大きく分けて4つの力の育成を目指します。1つ目が「環境に関する基礎知識を自然科学・社会科学・人文科学の観点から幅広く身に付け、現実の課題と結び付けながら理解する力」、2つ目が「自然環境を科学的に捉え、社会経済システムに関わる技術と学識をそれぞれの立場で活用する力」、3つ目が「さまざまな関係者や異なる分野の専門家を、対話を通じてつなぎ、協働の関係を構築しながら地域社会及び国際社会に貢献する力」、4つ目が「“Environmental Justice(環境正義)”の概念を理解し、環境問題の解決と持続可能(サステナブル)な社会への変革のために行動する力」です。
他にも、専門分野だけに留まらず幅広い学びを提供する「リベラルアーツ教育」、一人ひとりの個性や強みを生かして対話と協働を重視する「リーダーシップ教育」、国内外の現地に赴いて企業や自治体と連携しながらプロジェクトを実施する「フィールドスタディ」など、立教大学が大切にしている学びの特徴についても解説がありました。
文系・理系を問わない幅広い学びを実現する環境学部は、2026年4月に設置構想中です。今後の動向にご注目ください。
※掲載内容は設置構想中の予定であり、変更となる可能性があります。
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