RIKKYO×SDGs
持続可能な社会の実現に向けた立教大学の実践
2020/12/11
トピックス
OVERVIEW
2015年、「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連で採択された背景には、経済発展により豊かさがもたらされた一方で、貧困や格差の拡大、気候変動、難民の増加など、地球規模の課題が山積する現状への危機感があります。
1874年の創立当初から社会貢献を重要な使命としてきた立教大学は、SDGsといかに向き合い、どのような取り組みを進めているのか。
本学ならではの活動の一部と、その背景にある理念をご紹介します。
SDGsに寄与する教育・研究の「見える化」「つなぐ化」を推進
立教大学 副総長(社会連携担当)
21世紀社会デザイン研究科・社会学部 教授
長 有紀枝 OSA Yukie
21世紀社会デザイン研究科・社会学部 教授
長 有紀枝 OSA Yukie
「キリスト教に基づく教育」を礎とする立教大学では、教育理念にある「私たちの世界、社会、隣人のために」※という言葉が示す通り、身近な他者や社会のために行動する精神を伝統的に重視してきました。「誰一人取り残さない」を掲げ、国際社会が抱える課題の解決を目指すSDGsは、まさに脈々と受け継がれてきた本学の理念と合致します。
※立教大学のオフィシャル・シンボル(WEBサイト左上参照)中央に描かれている「PRO DEO ET PATRIA」は「神と国のために」というラテン語で、立教大学ではこれを「普遍的なる真理を探究し、私たちの世界、社会、隣人のために」と捉え、教育理念として位置付けています。
また、経済・社会・環境など多様な分野を包摂した17の目標を実現するには、複数の分野を横断したアプローチが欠かせません。本学がリベラルアーツ教育を通して育成してきた「分野の枠を越え、一つの専門知では対処できない問題に向き合う力を持った人物」こそ、SDGsの達成に大きく貢献できると考えています。
※立教大学のオフィシャル・シンボル(WEBサイト左上参照)中央に描かれている「PRO DEO ET PATRIA」は「神と国のために」というラテン語で、立教大学ではこれを「普遍的なる真理を探究し、私たちの世界、社会、隣人のために」と捉え、教育理念として位置付けています。
また、経済・社会・環境など多様な分野を包摂した17の目標を実現するには、複数の分野を横断したアプローチが欠かせません。本学がリベラルアーツ教育を通して育成してきた「分野の枠を越え、一つの専門知では対処できない問題に向き合う力を持った人物」こそ、SDGsの達成に大きく貢献できると考えています。
こうした背景のもと、創立当初から実施してきたボランティア・立教キャンプなどの正課外教育活動や、推進してきた教育・研究活動の中には、すでにSDGsと関連する取り組みが多数あります。そこで2020年5月、各取り組みと17の目標との結び付きを「見える化」し、広く社会に発信する特設Webサイトを開設しました(ページ下部「持続可能な開発目標(SDGs)」の推進を参照)。掲載している情報はまだ活動のほんの一部ですが、今後は、こうした活動や担い手の「つなぐ化」によりさらなるシナジーを創出するため、学内はもちろん学外の企業や自治体等との連携を一層促進していきたいと考えています。
同時に、学生にとって目の前の学びとSDGsとの関わりを認識することは、足元の課題と世界の課題の両方に目を向けるきっかけになります。それにより、「自分の取り組みは小さな一歩でも、その一歩がなければ世界は変わらない」という気付きが得られるでしょう。授業や正課外教育活動における実践を通して、知識として理解するだけでなく、自分ごととして捉え行動に移す力を身に付けてほしいと願っています。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、貧困や格差などのさまざまな問題が深刻化している現在、SDGsの重要性がより鮮明になっています。立教大学はこれからも推進の旗手となる人材の育成をはじめ、知の集積を生かした多面的な取り組みを展開し、世界のより良い未来に貢献していきたいと思います。
同時に、学生にとって目の前の学びとSDGsとの関わりを認識することは、足元の課題と世界の課題の両方に目を向けるきっかけになります。それにより、「自分の取り組みは小さな一歩でも、その一歩がなければ世界は変わらない」という気付きが得られるでしょう。授業や正課外教育活動における実践を通して、知識として理解するだけでなく、自分ごととして捉え行動に移す力を身に付けてほしいと願っています。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、貧困や格差などのさまざまな問題が深刻化している現在、SDGsの重要性がより鮮明になっています。立教大学はこれからも推進の旗手となる人材の育成をはじめ、知の集積を生かした多面的な取り組みを展開し、世界のより良い未来に貢献していきたいと思います。
SDGs達成の要となる「人づくり」を——ESD(持続可能な開発のための教育)が担う役割
ESD研究所長
社会学部現代文化学科 教授
阿部 治 ABE Osamu
社会学部現代文化学科 教授
阿部 治 ABE Osamu
新たな発想で、次の社会をデザインする——SDGsを含む、21世紀社会の課題解決を目指して
社会デザイン研究所長
21世紀社会デザイン研究科・法学部 教授
中村 陽一 NAKAMURA Youichi
21世紀社会デザイン研究科・法学部 教授
中村 陽一 NAKAMURA Youichi
SDGsにつながる取り組み
立教大学が推進する、SDGsの目標達成につながる取り組みの一部をご紹介します。17の目標のうち、該当する目標のアイコンを表示しています。
※全ての目標に該当する場合はカラーホイールを表示。
※全ての目標に該当する場合はカラーホイールを表示。
国際協力人材育成プログラム
国際社会が抱える課題に向き合い、解決する力を身に付けるプログラムです。課題別に設定された7科目は、全て英語で開講。国際協力の現場で活躍する講師やゲストが授業を担当し、海外でのフィールドワーク(アクティブ・リサーチ)も経験します。
※2020年度のアクティブ・リサーチは中止。
※2020年度のアクティブ・リサーチは中止。
国連ユースボランティア
国連機関と国内8大学の連携により、5カ月間、開発途上国における国連等の国際機関に派遣されるプログラム。各機関のスタッフと共に広報活動やプロジェクト運営支援等に携わり、教育・環境・保健衛生などの分野で貢献します。
※2020年度の派遣は中止。
※2020年度の派遣は中止。
RSL-コミュニティ(埼玉)立教サービスラーニング科目※
埼玉県内の生活状況が厳しい世帯の中高生を中心に、「学習支援」と「家庭訪問」活動を行う団体の事業に参加。学習サポートを通して生活保護制度の運用実態に触れ、隠れた貧困や格差を取り巻く諸問題を理解します。
※立教サービスラーニング(RSL):座学と社会の現場での活動を結び付けて学ぶ正課科目。実践系科目として「RSL-コミュニティ(池袋)(埼玉)」「RSL-ローカル(南魚沼)」「RSL-グローバル(フィリピン)(SDGs)」「RSL-プロジェクト・プランニング」があります。
※立教サービスラーニング(RSL):座学と社会の現場での活動を結び付けて学ぶ正課科目。実践系科目として「RSL-コミュニティ(池袋)(埼玉)」「RSL-ローカル(南魚沼)」「RSL-グローバル(フィリピン)(SDGs)」「RSL-プロジェクト・プランニング」があります。
農業体験 in 山形県高畠町
全国に先駆けて有機栽培農法を開始した山形県高畠町で、5泊6日の農業体験を実施。農作業や現地の人々との交流を通して、「食」や「農」を巡る問題への理解を深め、「共生・協働」の精神につながる視点を身に付けます。
ESD研究所
(上)毎年開催している全国ESD/SDGs自治体会議に登壇された首長・教育長[2020年10月](下)岐阜県・白川郷で毎年開催しているSDGs教育フォーラムでのフィールドワーク
自治体の首長や教育長/職員による全国ESD/SDGs自治体会議や世界遺産白川郷でのSDGs教育フォーラムを毎年開催するなど、ESDによる持続可能な地域創生を通じたSDGsの普及・推進などに取り組んでいます。
社会デザイン研究所 社会デザイン・ビジネスラボ
(上)2019年12月に開催された設立説明会での中村陽一社会デザイン研究所長による講演と(下)有識者によるパネルディスカッション
ITを中心にしたテクノロジーや法人・個人の強みによって持続可能性を実現するエコシステムの構築を目指すメンバーの専門性に基づいて、社会課題解決と新たなビジネス機会を生み出すことを目標として大学・企業の社会的責任およびSDGsの活動を進めます。
学内の多彩な研究機関でSDGs関連研究も推進
下記をはじめとした学内の研究機関等が、幅広い分野でSDGsに関わる研究を展開しています。
キリスト教教育研究所
社会福祉研究所
アジア地域研究所
ウエルネス研究所
ESD研究所
社会デザイン研究所
法曹実務研究所
経済研究所
コミュニティ福祉研究所
リーダーシップ研究所
ジェンダーフォーラム
平和・コミュニティ研究機構
観光ADRセンター
など
※本記事は季刊「立教」254号(2020年11月発行)をもとに再構成したものです。定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
CATEGORY
このカテゴリの他の記事を見る
トピックス
2024/11/25
立教大学の英語名「St. Paul's」から「RIKKYO」...
写真で見る立教いま・むかし