はやぶさ2のカメラ設計をはじめ探査機に搭載する観測装置を開発

理学部物理学科 亀田 真吾 教授

2022/07/01

研究活動と教授陣

OVERVIEW

惑星探査機や宇宙望遠鏡に搭載する観測機器の設計など、宇宙に関する新たなデータを得るための技術開発を中心に研究を進めています。また、宇宙望遠鏡を使った惑星大気光の観測にも取り組んでいます。

はやぶさ2のリュウグウ到着イメージ(イラスト:池下 章裕)

近年では、JAXAが主導する小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトに参加。はやぶさ2は2014年に打ち上げられ、小惑星リュウグウでサンプルを採取した後、2020年12月に地球に帰還しました。現在、分析チームが解析を進めていますが、太陽系や地球、生命誕生の謎に一歩近づける可能性があります。

私が開発に関わった、はやぶさ2の「光学航法カメラ」は1台の望遠カメラと2台の広角カメラで構成されています。リュウグウの位置を観測して到着の精度を高めるとともに、小惑星の含水鉱物や有機物の分布を観測する、はやぶさ2の眼となる重要な装置です。性能の高さと並んで重要なのが、壊れないこと。宇宙まで修理に行くことはできないため、打ち上げ時の強い振動や宇宙の強力な放射線にさらされても絶対に故障しないよう力を注ぎました。

はやぶさ2に搭載された「光学航法カメラ」 提供:JAXA

2024年には、カメラの開発で関わっている火星衛星探査計画MMXの探査機打ち上げが予定されています。また、学生と共に開発した宇宙望遠鏡「LAICAライカ」の実績が評価され、同様の観測装置の提供依頼を複数受けており、参加するプロジェクトがNASA(アメリカ航空宇宙局)などの新計画候補に選定されました。これまでの経験を生かし、より優れた装置の開発を目指します。

私が高校生の時、火星由来の隕石の中に微生物の痕跡らしきものが見つかったというニュースが話題になりました。それ以降も、生命が存在できそうな惑星が発見されています。今の技術では人間が到達できないような遠くではありますが、地球外生命体が存在する可能性はあると考えています。その証拠を自作の観測装置を使って得ることが最大の目標です。


プロフィール

PROFILE

亀田 真吾

理学部物理学科 教授

2002年東京大学理学部地球惑星物理学科卒業。同大学理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究員を経て、2011年に立教大学理学部准教授に着任後、2018年より現職。

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