法学部主催「国際人に求められる素養と大学での学び~現場の経験から~」講演会レポート
関 匡史 さん(法学部政治学科 2001年卒)
2017/04/25
RIKKYO GLOBAL
OVERVIEW
講演会の様子をお届けします。
法学部特別講演会「国際人に求められる素養と大学での学び~現場の経験から~」
日時 | 2017年4月15日(土)13:30~16:30 |
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会場 | 池袋キャンパス 太刀川記念館3階 多目的ホール |
講演者 | 本多 英司 氏(株式会社エーザイ代表執行役アジアリージョン・プレジデントCEO特命担当) 荒巻 快哉 氏(ソニーコーポレートサービス株式会社人事センター人事1部1課) 鳥飼 玖美子 氏(本学名誉教授) |
本多 英司 氏
法学部主催の講演会「国際人に求められる素養と大学での学び~現場の経験から~」に参加しました。
第一部では、グローバル企業に勤務する校友2名 本多英司さん・荒巻快哉さんから、自身の実体験から学んだことを、異文化コミュニケーション学が専門で私の恩師でもある鳥飼玖美子名誉教授から理論的な説明をしていただきました。
本多さんは、エーザイ株式会社に入社以来40年間のサラリーマン人生で海外10か国の事業部の立ち上げに関与されたそうです。「私のグローバルビジネスへの挑戦と学び」というテーマでお話しいただきましたが、アメリカ・スペイン・インドなどの現地で薬の認可を取得する為にどのような姿勢で相手と交渉したかを臨場感且つユーモアを交えてお話しいただきました。ビジネスの現場では、「失敗を恐れず、挑戦しなければ、前に進まない」というメッセージを伝えていただきました。
第一部では、グローバル企業に勤務する校友2名 本多英司さん・荒巻快哉さんから、自身の実体験から学んだことを、異文化コミュニケーション学が専門で私の恩師でもある鳥飼玖美子名誉教授から理論的な説明をしていただきました。
本多さんは、エーザイ株式会社に入社以来40年間のサラリーマン人生で海外10か国の事業部の立ち上げに関与されたそうです。「私のグローバルビジネスへの挑戦と学び」というテーマでお話しいただきましたが、アメリカ・スペイン・インドなどの現地で薬の認可を取得する為にどのような姿勢で相手と交渉したかを臨場感且つユーモアを交えてお話しいただきました。ビジネスの現場では、「失敗を恐れず、挑戦しなければ、前に進まない」というメッセージを伝えていただきました。
荒巻 快哉 氏
荒巻さんは、ソニー株式会社に入社以来、一貫して人事系キャリアに従事し、その間に中国赴任を経験し、現地の方への人事を担当されていたそうです。「私が再発見した、立教での学びの価値」というテーマで話をいただきましたが、高校時代から自分自身の得手・不得手をじっくりと考え、Can(できること)/Want(やりたいこと)を明確にすることで、自分の領域を広げていったという話は、まさにこれからキャリアを築いていく大学生参加者にとってもイメージしやすい内容でした。
鳥飼 玖美子 氏
鳥飼先生からは、「グローバル人材からグローバル市民へ」というテーマで話をいただきました。グローバル人材といえば、「語学力=英語?」「高学歴」などのイメージが先行しがちですが、そもそもどのような人材なのか?必要な資質・能力やグローバル人材となる為のアクションについて考える良い機会となりました。グローバル化が叫ばれる一方で、イギリスのEU離脱・「アメリカ第一」のトランプが大統領に就任したことで、グローバリズムの逆流が進んでいるというお話は、非常に興味深かったです。
トークセッション
第二部では、「真の国際人像を求めて」というテーマに沿って3名のトークセッションが行われました。
実際、本多さんや荒巻さんのように、海外赴任された場合、現地スタッフを指導する立場となることが多く、現地スタッフとの異文化コミュニケーションは不可欠です。鳥飼先生が、異文化コミュニケーション理解には「異文化能力」と「言語能力」が必要であり、その能力を伸ばすには「教育」が重要であるとおっしゃっていましたが、ピーター・ドラッカーの名言として知られる“Think Globally, Act Locally”この言葉を実践できる「グローカル人材」には、語学力や優れたコミュニケーション力が求められます。その上で“ローカル”、つまりそれぞれの国がどんな特色を持ち、課題を抱えているのかを、実際に見て、理解することが、「グローカル人材」として成長していく上で重要なのだと思います。「Intelligence(知性)やKnowledge(知識)は研修やスキルの付与で育成できるが、Wisdom(知恵)は失敗からの経験からでしか学べない」と本多さんが強調されていたのが印象に残りました。
実際、本多さんや荒巻さんのように、海外赴任された場合、現地スタッフを指導する立場となることが多く、現地スタッフとの異文化コミュニケーションは不可欠です。鳥飼先生が、異文化コミュニケーション理解には「異文化能力」と「言語能力」が必要であり、その能力を伸ばすには「教育」が重要であるとおっしゃっていましたが、ピーター・ドラッカーの名言として知られる“Think Globally, Act Locally”この言葉を実践できる「グローカル人材」には、語学力や優れたコミュニケーション力が求められます。その上で“ローカル”、つまりそれぞれの国がどんな特色を持ち、課題を抱えているのかを、実際に見て、理解することが、「グローカル人材」として成長していく上で重要なのだと思います。「Intelligence(知性)やKnowledge(知識)は研修やスキルの付与で育成できるが、Wisdom(知恵)は失敗からの経験からでしか学べない」と本多さんが強調されていたのが印象に残りました。
文部科学省の「産学連携によるグローバル人材育成推進会議」がまとめた報告書の中で、グローバル人材について、「世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、文化、価値を乗り越えて関係を構築するためのコミュニケーション能力と協調性、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」と定義しています。他方、小学校からの英語活動が3-4年生へ前倒しされたり、5-6年生を対象にした英語の教科化が提案されたり、一部の大学の授業がTOEIC点数獲得の為に費やしていることには、個人的には違和感を感じています。トークセッションの中でもグローバル人材には、「日本人としてのアイデンティティを持ちながら、多様性を常に意識し、相手に対して寛容になることが大切なのでは?」と話がありましたが、大学では人間力を育てる教育(リベラルアーツ)と専門的な知識を学べる環境があると良いと思います。4月から始まったGLAPはまさに自律して学ぶことのできる学生を育成できるプログラムではないかと期待しています。
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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