しょうがい学生支援室主催公開講演会 開催レポート
渡辺 寛子 さん(コミュニティ福祉学部福祉学科4年次)
2016/01/08
トピックス
OVERVIEW
しょうがい学生支援室主催公開講演会
「立教と私 しょうがいのある学生の視点から」
日時 | 2015年11月28日(土)13:30~15:30 |
会場 | 新座キャンパス 7号館3階 アカデミックホール |
講演者 | 社会学部社会学科2年次 若杉 遥 理学部物理学科3年次 長田 直也 コミュニティ福祉学部福祉学科4年次 内山 涼 |
講演会レポート
今回の講演会は、しょうがい学生支援室開設5周年を記念して、初めて本学在学中のしょうがいのある学生3名が講演をしました。講演者は社会学部2年次の若杉遥さん(視覚しょうがい)、理学部3年次の長田直也さん(肢体不自由)、コミュニティ福祉学部4年次の内山涼さん(聴覚しょうがい)です。「立教と私 しょうがいのある学生の視点から」と題して、彼ら/彼女らが立教大学に入るまでの経緯から現在本学でどのようなサポートを受けながら学生生活を過ごしているのかということまで、大変内容の濃い講演でした。
3名はそれぞれ異なるサポートを受け、異なる学部で学んでいますが、全員に共通していることは立教大学において主体的な学生生活を送っているということです。若杉さんはゴールボールというスポーツにおいてパラリンピックに出場するほどの実力を備えながら、社会学部で広い世界を学ぶというまさに文武両道の生活を送っています。長田さんはヘルパーと支援室のサポートを上手く併用しながら、大学院に進学して宇宙の研究をするために日々膨大なレポートをこなしています。内山さんは自分の経験をもとに教師になるため、教職課程を受けながら同時に社会福祉士の取得も目指しています。支援室が行っているサポートはあくまで、一学生が自らの学生生活を送るための潤滑油のようなものであると改めて思いました。
さて、しょうがい学生支援室の講演会は2012年度から学生主体となって取り組んできました。今回も、司会・受付・誘導・PCテイク・手話通訳・点訳・映像制作のほぼすべてを学生運営スタッフ40名が担当し、私自身も手話通訳班のリーダーとして関わり、司会進行部分などの通訳を行いました。普段どのようなサポートを行っているのかを、学内外問わず多くの方に知っていただくことができたのではないでしょうか。
さて、しょうがい学生支援室の講演会は2012年度から学生主体となって取り組んできました。今回も、司会・受付・誘導・PCテイク・手話通訳・点訳・映像制作のほぼすべてを学生運営スタッフ40名が担当し、私自身も手話通訳班のリーダーとして関わり、司会進行部分などの通訳を行いました。普段どのようなサポートを行っているのかを、学内外問わず多くの方に知っていただくことができたのではないでしょうか。
スタッフの中にはしょうがいのある学生も含まれています。しょうがいのある学生はただ”支援を受ける側”ではなく”支援を受けるプロ”であると私は思っています。視覚しょうがいの方が来られたらどのように誘導すればよいのか、この手話は聴覚しょうがいの方から見てわかりやすいのかなど、しょうがいのある学生自身が一番よく理解しているため、考えを共有しながら準備を進めてきました。この”支援を受けるプロ”たちがいなければ、不安を抱えたまま、もしくは配慮は十分しているから大丈夫と驕ったまま本番を迎えることになっていたと思います。
講演の中にも、できること/できないことを支援者側に伝え、自分に一番合ったサポートを把握することが大切であるという話が何度か出てきました。しょうがいのある学生は最初から”支援を受けるプロ”なのではなく、色々なサポートを経験する上で取捨選択し、細かくサポート内容を指示していく中でサポートとの付き合い方を体得するのだとわかりました。ニーズを把握して伝える側と、そのニーズを受け止めて対応する側が上手く機能して初めてバリアフリーに繋がるのではないでしょうか。
講演の中にも、できること/できないことを支援者側に伝え、自分に一番合ったサポートを把握することが大切であるという話が何度か出てきました。しょうがいのある学生は最初から”支援を受けるプロ”なのではなく、色々なサポートを経験する上で取捨選択し、細かくサポート内容を指示していく中でサポートとの付き合い方を体得するのだとわかりました。ニーズを把握して伝える側と、そのニーズを受け止めて対応する側が上手く機能して初めてバリアフリーに繋がるのではないでしょうか。
この講演会は、しょうがいのある方、支援者の方、しょうがいのある方とあまり関わりがない方など、見る人の立場によって異なった印象を抱く内容だったと思います。短い時間で3名の講演があったため、講演者の劇的な経緯に目を引かれがちになってしまったかもしれません。最後の質疑応答で垣間見えたように、たまに授業をサボるようなフツーの大学生の側面ももちろん持っています。サポートスタッフであり友人でもある私としては、学びたいという気持ちを尊重しながらも、しょうがいを乗り越えて頑張るような美談に強制的に持っていかないようにすることの難しさを改めて感じました。
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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