立教の世界展開力——世界で選ばれる大学へ

立教大学

2023/01/17

RIKKYO GLOBAL

OVERVIEW

創立時から受け継がれる立教大学の国際性は2014年に文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業」に採択されたことで改めて確認され、数々の先進的な取り組みを実施してきました。そして2021年11月には、本学を含むアジア4大学の連携事業である「ACEプログラム」が、文部科学省「大学の世界展開力強化事業」に採択され、私立大学で唯一の新規採択校となっています。国際化推進担当の松井副総長に立教大学のグローバル化について伺いました。

深化するグローバルリベラルアーツ

副総長(国際化推進担当)
法学部国際ビジネス法学科 教授
松井 秀征

アジアトップクラスの学生と共創するACEプログラム

ACEプログラム特設サイト

2014年に策定した立教大学の国際化戦略「Rikkyo Global 24」を引き継ぐ中核的な取り組みの一つとして2022年からスタートした「ACE※1プログラム」。これは、ソウル大学校、北京大学、シンガポール国立大学というアジアでトップクラスの3大学と立教大学が連携し、リベラルアーツ教育を基礎としつつ、現代のアジアや国際社会の諸課題について思考し、行動できる人材を育成することを目的としています。

※1 ACE:The Asian Consortium for Excellence in Liberal Arts and Interdisciplinary Education

同プログラムは、①4大学間長期交換留学、②インテンシブプログラム(夏・冬)、③共同オンライン科目群の設置、④インターンシップまたは社会貢献活動、⑤国際文化交流の5つが大きな柱となります。また、Cではじまる6 つのコアスキル※2涵養かんようする「C6ubic Curriculum」を4大学共同で開発・運営します。

※2 Cではじまる6つのコアスキル:
Critical thinking, Collaboration, Communication,Consilience, Challenge, Cosmopolitan
2022年8月、ACEサマー・インテンシブプログラムを立教大学で実施しました。これは各大学が持ち回りでホスト校となり、自大学の特色を生かしたプログラムを参加学生に提供するものです。今回、本学の特色であるリーダーシップ教育をテーマとして4大学の学生26人がグループワークやプレゼンテーションに取り組みました。5日間のプログラムを終えて、国際化推進を担当する松井秀征副総長は次のように話します。

「前例のないチャレンジでしたが、確かな手応えを感じました。立教以外の参加学生からは『リーダーシップ教育が興味深く、勉強になった』とのコメントがあり、本学の学生もアジアトップクラスの大学の学生と協働する中でおのおのがリーダーシップを発揮していたと感じます」

ACEプログラムでは長期交換留学もスタートし、今秋、第1期生が1大学目の留学先に渡航しました。長期交換留学に参加する学生は、提携3大学のうち2大学に留学し、1大学はオンラインで授業を受ける、というのが基本的な形となっています。

これまで以上に多様な外国人留学生を受け入れる

2022年9月から新たな留学生受け入れ制度「Rikkyo Study Project(RSP)」がスタートしました。RSPでは、入学時点で日本語能力試験N3程度の学生を受け入れて立教大学の教育課程で日本語能力の向上を図る「NEXUS Program」と、入学時点で日本語能力を求めず英語による授業のみで教育課程を構成する「PEACEProgram」の2つを設置するものです。

「日本語能力という“参入障壁”を下げることで、これまで以上に多様な外国人留学生が集い、学内での国際交流がさらに活性化することを期待しています」と、松井副総長。

立教の国際化を牽引(けんいん)するGLAP

1学年30人という少人数でリベラルアーツを英語で学ぶGLAP(GlobalLiberal Arts Program)が開設5周年を迎え、2021年3月に第1期生が社会へ巣立ちました。

松井副総長は、「就職先は外資系の企業や社内公用語が英語である職場が多いです。卒業生がグローバルな舞台で力を発揮することになり喜ばしく思います。また、先述のACEサマー・インテンシブプログラムでは本学の学生がスタッフとして関わってくれたのですが、GLAPの学生も多数参加して、その実力を存分に発揮してくれました」と話します。

立教の世界展開のいまとこれから

2020年度からスタートした英語カリキュラムでは、1年次に「英語ディベート」、2~4年次に「CLIL科目」をそれぞれ導入し、より実践的な英語力を鍛える学びを全学的に展開。また、グローバル教養副専攻や、グローバル教育センター提供プログラムといった本学独自の学びを通して多くの学生がグローバルに活躍する力を磨いています。

一方、施設や設備についてもグローバルラウンジや祈りの部屋、ハラル食堂など、多様なバックグラウンドを持つ学生が学びやすい環境を整備してきました。

今後の立教の世界展開について松井副総長は次のように話します。

「大学が国際化することは、大学として国際的な競争の中にさらされるということです。その中で本学が選ばれるためには固有の魅力を持つことが不可欠であり、それは教育力や研究力にほかならないと考えています。リーダーシップ教育のように、立教大学の核となるものをこれからも見いだし、世界に発信してまいります」

※ CLIL:Content and Language Integrated Learning

ACEサマー・インテンシブプログラム 学生の声

2022年8月に実施したACEサマー・インテンシブプログラムに参加した学生と運営に携わった学生の声を紹介します。

プレゼン後の充実感は忘れられない(参加学生)

経営学部国際経営学科4年次
三瓶 峻さん

3年次から4年次にかけて学部間交換留学でヨーロッパに留学していました。帰国後、「これまで関わりが少なかったアジアトップクラスの学生と交流したい」「自分のリーダーシップや英語力がどこまで通用するか試してみたい」という思いから、インテンシブプログラムへの参加を決意。

5日間のプログラムで、自らのリーダーシップを発揮しながら他者のリーダーシップも生かしてグループワークを進めることの大変さもありました。それだけに最終日のプレゼンテーションを終え、「みんなよく頑張った」とお互いに労をねぎらった瞬間の充実感は忘れられません。

今回のプログラム以外にも立教GLP※1や国際経営学科のBBL※2といった学びを通して、リーダーシップや英語力、自分を客観視する力が身に付きました。卒業後はイギリスの大学院に進学し、さらに成長していきたいです。

参加学生のレベルの高さは大きな刺激に(運営学生)

異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科4年次
久保 みなみさん

学生スタッフとしてプログラムの開発や当日のファシリテートを担当。アジアトップクラスの学生と肩を並べて、共に何かを生み出す経験はなかなかできないと思い参加を決めました。プログラムの大枠は担当の先生が作ってくださいましたが、詳細は学生スタッフが議論して決めたものだったので、何事もなく終えられたことが何よりうれしかったです。

プログラムの中で特に印象に残ったのが、参加学生のレベルの高さです。ディスカッションの視座は高く、レクチャー後に出てくる質問も私たちの想像を超える内容ばかりで大きな刺激を受けました。一方で、私たちが普段立教で学んでいるリーダーシップの理論は国境を越えて通用すると確信しました。今回のインテンシブプログラムは立教GLP※1の内容を派生させたものであり、グローバルな舞台で生きるリーダーシップを学べるのは立教の強みだと思います。
※1 立教GLP(グローバル・リーダーシップ・プログラム):次世代のリーダーシップを養う全学共通科目。詳細は下記『グローバル教養副専攻/RIKKYO MINOR PROGRAM』内を参照。
※2 BBL(バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム):グローバルな環境でリーダーシップを発揮できる人材を育成する、国際経営学科のコアカリキュラム。

英語カリキュラム/CURRICULUM

実践的な英語力を備えたグローバルリーダーの育成を目指し、2020年度から現在の英語カリキュラムを展開しています。ベースにあるのは、英語4技能(読む、聞く、書く、話す)のさらなる重視と、「専門領域を英語で学ぶ」仕組みの整備。こうした考えから、1年次の必修に「英語ディベート」科目を設置し、2~4年次では専門科目を英語で開講する「学部EMI1科目」を充実させるとともに、教科学習と言語学習を組み合わせた「CLIL2科目」を開講しています。

※1 EMI:English as a Medium of Instruction
※2 CLIL:Content and Language Integ rated Learning

「英語ディベート」科目

1年次秋学期の必修科目「英語ディベート」。社会問題などをテーマに英語で討論を行い、正解が一つでない問いに対して批判的・論理的に結論を導き出す「クリティカル・シンキング」のスキルを磨きます。ディベートを行うには膨大な情報の中から適切な情報を探し出す「情報収集力」や、それをベースに論理的に主張を組み立てる「論理的思考力」も重要。これらの力を英語力とともに身に付けます。

全学共通科目 総合系科目「F科目」——世界を見据え、リベラルアーツを英語で学ぶ

「F科目」とは、英語で行われる総合系科目。導入、中級、上級の3つのレベルを設定しており、「留学したいけど英語は苦手で自信がない」「英語力をもっと磨いて次のステージへ挑戦したい」など、自分の目的・レベルに合わせた履修が可能です。幅広い学問分野を網羅した100以上の科目から自由に選択でき、専門領域の枠を超えた人間としての深い洞察や価値観、総合的な判断力を英語力とともに養います。

グローバル教養副専攻/RIKKYO MINOR PROGRAM

学部で専門性を深めつつ、興味・関心のあるテーマを選び、分野の枠を超えて学ぶ立教大学独自のプログラム。世界を俯瞰する広い視野、多層的・複眼的な視点を養います。

グローバル教育センター提供プログラム/PROGRAM

グローバル教育センターでは、国際社会で活躍するために必要な教養、リーダーシップ、言語力を身に付けた「専門性に立つグローバル教養人」育成のためのプログラムを開発・提供しています。

※ 「立教GLP」もグローバル教育センター提供プログラムです。
※ グローバル教育センター提供プログラムは正課科目です。また、グローバル教養副専攻の指定科目です。

海外インターンシップ

海外での就業体験や生活を通じて、企業と社会の仕組みを理解し、グローバルに働くイメージを持つきっかけを得るプログラム。形態の異なる3タイプの海外インターンシップを展開しており、異文化適応力、コミュニケーション能力、外国語運用能力、主体性、責任感、柔軟性、発信力といった国際的に活躍できる力を高めます。

※就業体験の期間(1週間~4カ月程度)等は、プログラムによって異なります。

国連ユースボランティア

国連機関である国連ボランティア計画(UN Volunteers)と連携して、学生を開発途上国へボランティアとして約5カ月間派遣するプログラム。開発途上国でのボランティア活動と、異なるバックグラウンドを持つ人々との生活や協働を通じて、グローバル人材として必要な素養を身に付けます。国連やNGOによる現地での国際協力活動を間近で体験する機会にもなります。

陸前高田プロジェクト

立教大学と長年交流のある岩手県陸前高田市での活動を通じて、被災地の現状を知り、復興における課題を共有することを目的としたプログラム。課題に取り組む中で、課題解決能力、プレゼンテーション能力、論理的思考力、情報発信力などを身に付けます。また、海外の学生との協働作業を通じて、外国語運用能力や異文化適応力、リーダーシップ力も養われます。

「国際協力人材」育成プログラム

「国際協力」に関する幅広い分野を英語で体系的に学ぶプログラム。国際協力の幅広い分野を網羅する基礎的な科目から、ゼミ形式で各分野を掘り下げる科目、フィールドワークで国際協力の最前線を経験する科目などを開講。近年、企業や自治体、大学などの国際協力分野において盛んに取り組まれているSDGsについても学ぶことができます。

国際化に対応した施設・設備

多様なバックグラウンドを持つ外国人留学生が安心して過ごせるように、またキャンパス内で学生たちが国籍を超えて交流できることを目的に、立教大学では国際化に対応したさまざまな施設・設備を整備しています。

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