発展する海外インターンシッププログラム—現地経験とオンライン経験が深める学び—
グローバル教育センター
2022/11/10
RIKKYO GLOBAL
OVERVIEW
世界では人々の動きが少しずつ戻り始めてきています。グローバル教育センターが展開している海外インターンシッププログラムにおいても、今夏より2019年度以来の現地派遣を再開しました。今回は、1つの企業で2022年度春学期にオンライン海外インターンシップ、夏休みに現地渡航を伴う海外インターンシップと双方のプログラムを経験した荒井さんにお話をうかがいました。
スタジアムパスと制服
荒井 里佳さん
- 所属/学年:コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科3年
- 海外インターンシップ派遣先企業:アルビレックス新潟シンガポール
- オンライン海外インターンシップ活動期間:2022年5月~7月(計約30時間)
- 渡航型海外インターンシップ活動期間:2022年8月(1週間)
オンライン海外インターンシップと渡航型の海外インターンシップ、それぞれの参加のきっかけについて教えてください。また、インターンシップ派遣先企業の特徴について教えてください。
高校のフィールドワークでベトナムの工場を訪れた経験から海外渡航や海外での勤務に興味を持っていましたが、大学入学時から新型コロナウイルスの影響を受け、なかなか海外に行ける環境ではありませんでした。そこで日本にいながら海外に触れられる機会を模索していました。また、3年生になる段階で将来のビジョンを考えたときに、今後も続くであろうオンラインでの業務経験を積む必要があると考えていました。その際にオンラインインターンシップの開催を知り、以前から関心のあったサッカー業界での業務ということもあり参加を決断しました。アルビレックス新潟シンガポール オフィス外観
今回お世話になったアルビレックス新潟シンガポールは、男女でのプロサッカー事業、サッカーやチアといった各種スクール事業、バルセロナ留学の支援事業を展開する企業です。プロサッカーチームは日本のJリーグクラブであるアルビレックス新潟を母体としており、唯一無二の日本由来のプロサッカーチームとしてシンガポールサッカーをけん引する存在です。
携わった業務内容全般を教えてください。また、特に印象に残っている業務のエピソードを教えてください。
主に4つの業務に関わりました。プロサッカー事業では、チームのメディア掲載実績の集約、今年発足されたばかりの女子チームに関する翻訳業務を行いました。バルセロナ留学の支援事業では、クラブが行っているバルセロナ留学事業を宣伝するためのPR動画を作成しました。チアスクール業務では、実際に小学校低学年のチアスクールを体験し、一緒に体を動かしました。ビジネス研修では、クラブのCEOから直接スポーツビジネスやマーケティングについて学びました。どの業務も有意義なものでしたが、特に印象的だったのはビジネス研修です。CEOは日米での経験が豊富な方で、有識者の経験を実際に学ぶことができる貴重な機会でした。最終回では学んだことを活かして施策を考え、実際に発表しました。インプットだけでなくアウトプットを通してより知識を深めることができました。他の参加者の施策を聞くことで、自らのブラッシュアップにもつながりました。
オンラインビジネス研修にて
学んだことを教えてください。
また、女性の働き方についても新たな知見を得ました。サッカー業界という特殊な業界ゆえ、男性ばかりの環境だと考えていましたが、週に1度行われるミーティングでは多くの女性スタッフが積極的に関わる光景を目の当たりにしました。日本と比べて女性だからという抵抗はほとんどなく、むしろ女性ならではの視点を大切にしているという話も伺いました。実際、女性のみで構成される部門もあり、日本との捉え方の違いを実感しました。
携わった業務内容全般を教えてください。また、特に印象に残っている業務のエピソードを教えてください。
まず、試合運営全般です。インターンシップ期間中にはホームゲームが2試合行われました。試合前にはスタジアムに横断幕を取り付けたり、太鼓などサポーターの方が使用する応援グッズを準備したりしました。その後は、試合会場でのグッズ販売、試合後の撤収作業を行いました。試合の翌日にはSNSに掲載するための動画を編集したり、試合内容の詳細をHPに記載したりしました。また、外部での営業にも同行しました。スポンサー企業様との会議に同席し、実際のスポーツビジネスがどのように行われているのかについて学びました。グッズ販売準備
学んだことを教えてください。
また、スポーツの新たな可能性も感じました。学歴社会のシンガポールではサッカーに力を入れられていない現状にあります。スタジアムも日本に比べコンパクトです。しかし、試合の日には日本人だけでなく地元の住民が多く集まり、熱狂に包まれています。アルビレックス新潟シンガポールでは地域住民との結びつきも大切にしており、ホームタウン活動を積極的に行っています。その根底にはサッカーだけやっていても通用しないという考えがあり、スローガンや活動理念に反映されています。スポーツを発展させる上で、スポーツの技術向上だけでなく、地域や国の特性に合わせたアプローチも不可欠なのだと学びました。
2つのプログラム参加を通じて、気付きや自身の成長・変化があれば教えてください
また、就職活動などで企業が行うインターンシップはどちらかしか経験できないことが多く、企業と結びつきをもつ大学ならではのプログラムだと感じました。
自らの変化としては、出来事の背景事情を考えるようになりました。これはビジネス研修から身についたと思います。日常生活で目にするイベントやキャンペーンに対してどういう意図があるのか、どういう利益構造になっているのか、深く考えるようになりました。また、海外と日本の大きな違いは、自己主張に重きが置かれているかどうかだと感じました。海外では「自分はこうだ」と主張しないと他者に埋もれてしまいます。実際その環境で生活したことで、自分の意見を主張することに抵抗がなくなったように思います。
今後の目標を教えてください
英語の勉強にも注力したいです。言語の壁に直面したことで、英語学習へのモチベーションが高まりました。授業を履修するだけでなく自学自習も併せて行い、海外でも自分の考えを伝えられ、相手を理解できるような語学力を身につけたいと思います。
そして最終的にはプロスポーツ業界で働くことが目標です。プロスポーツ業界に入社できる機会は限られており、新卒で入社するのは厳しい業界だとも言われています。常に情報のアンテナを張り、チャンスがあればものにしたいです。
オンライン海外インターンシップ、渡航型海外インターンシップそれぞれの参加を検討している立教生へメッセージをお願いします。
荒井さん(写真中央)
そして何よりも「挑戦すること」が大事です。「やらない後悔よりもやる後悔」と言われることもありますが、何かしらの行動を起こす方が得るものは格段に大きいです。私もはじめはこのインターンシップに参加するかどうか悩んでいました。ですが、今では参加してよかったと思っています。もし、参加を迷っている方がいたら、勇気を出して参加することをおすすめします。
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
(後書き)
荒井さんはじめ海外渡航を伴うプログラムに参加した学生に感想を聞いてみると、やはりその可能性の大きさを再認識させられます。たとえ短い期間でも、海外に身を置くことで初めて体感できる学びや印象に残る出来事に出会い、将来につながる経験ができるのは海外渡航プログラムならではでしょう。
しかしながら、オンラインを通じた海外経験もまた学びの幅を広げるための素晴らしいツールです。参加に際しスケジュール面や費用面の制約が抑えられチャレンジしやすくなりますし、何より、オンラインを利用したインターンシップでは常に正面から業務や課題に向き合うこととなり、業務スキルや理解を高めるという点では現地渡航以上に深い学びを得られる場合もあります。
グローバル教育センターの海外インターンシッププログラムには、団体で参加する入門編のプログラムもあり、それぞれの特徴を踏まえ、各自の目的に合わせた経験を積むことが可能です。そして、荒井さんのように複数の経験を組み合わせることで、学びの可能性をより広げることもできるでしょう。
グローバル教育センターではこれからもグローバル社会での活躍を志す学生を応援するプログラムを運営していきます。
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