新しい人に
チャプレンのことば
2017/12/11
キリスト教とチャペル
OVERVIEW
チャプレンからのメッセージです。
チャプレン 中川 英樹
新しい人に
「新しい人」。ノーベル賞作家、大江健三郎が大切にした言葉である。大江は原爆の悲惨な犠牲を見つめながら、エフェソの信徒への手紙2章15節の「新しい人」にこれからの社会の希望を見出した。そして、若者たちに敵意を除き、和解をもたらす「新しい人」になるように、「新しい人」を目指すようにと呼び掛けた。
わたしたちの生きる今の世界には「敵意」が満ち過ぎている。価値観や思想、宗教などの違いが激しい敵意を生み出し、それはドミノのように次々と平和をなぎ倒していく。敵意は一つになることを妨げ、人と人との間でその隔てを高くしている。しかし、聖書はその現実に抗って、敵対する双方が一人の新しい人に造り上げられるとき、平和は実現すると告知する。「双方が一人の新しい人に」ということはどういうことか。それは敵意を抱き合う者が和解する、ということ以上に、全く新しいものの中に互いの身体を置くということ。聖書の言葉は、単なる願望や理想を語っているのではない。一つの関係が壊れ終わり、また再び、新しい関係に生き直すために、聖書はただ素朴に、今ここで、あなたに向かって、新しく「新しい人」を生きるようにと求めている。
わたしたちの生きる今の世界には「敵意」が満ち過ぎている。価値観や思想、宗教などの違いが激しい敵意を生み出し、それはドミノのように次々と平和をなぎ倒していく。敵意は一つになることを妨げ、人と人との間でその隔てを高くしている。しかし、聖書はその現実に抗って、敵対する双方が一人の新しい人に造り上げられるとき、平和は実現すると告知する。「双方が一人の新しい人に」ということはどういうことか。それは敵意を抱き合う者が和解する、ということ以上に、全く新しいものの中に互いの身体を置くということ。聖書の言葉は、単なる願望や理想を語っているのではない。一つの関係が壊れ終わり、また再び、新しい関係に生き直すために、聖書はただ素朴に、今ここで、あなたに向かって、新しく「新しい人」を生きるようにと求めている。
※本記事は季刊「立教」242号(2017年11月発行)をもとに再構成したものです。定期購読のお申し込みはこちら
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